「親不孝者」帆足が故郷で今季初勝利

[ 2009年5月9日 22:48 ]

 【西武9-1ソフトバンク】9回、先頭からの3連打で失点した。チーム完封一番乗りしか頭になかった西武・帆足は無念の降板となったが、8回まで3安打無失点は文句なし。133球の力投でつかんだ今季初勝利でチームの連敗も止めた。

 「完封しないといけなかった」とは帆足。試合後のコメントは反省ばかりだったが、ひっきりなしの首脳陣やチームメートからの祝福の言葉にほっとした表情を見せる。「ずっと迷惑をかけていたんで良かった」

 内容は今季一番だ。7回2死一、二塁など走者を背負っても低めを突いてゴロに仕留める。24アウトのうち、内野ゴロは失策を含めて12個。「しっかりゴロを打たせてリズムに乗れた」。勝てなかった今季は走者がいると打率4割2分9厘と粘れなかった。それだけにこの日の好投が光った。

 「親不孝者」。左腕を渡辺監督は苦笑いでこう呼ぶ。故郷・福岡では、2003年から過去12度の登板で白星はなし。両親は東京でのテレビ観戦となったが、高校時代の友人や妻の両親にはようやく笑顔を届けられた。「まだピンとこないけどなあ」。背番号と並ぶ通算47個目の白星の喜びは、後でゆっくりと味わうつもりだ。

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2009年5月9日のニュース