これぞエース!ダル剛→柔に修正7回無失点

[ 2009年5月9日 06:00 ]

<日・オ>力投する日本ハム・ダルビッシュ

 【日本ハム10-1オリックス】コンディションが悪くてもゲームメークできるからエースと呼ばれる。ダルビッシュが7回4安打無失点。今季本拠地での初勝利をマークした。

 最悪の立ち上がり。「体は重かった」と直球は走らず、変化球は抜けた。初回は四死球で1死一、二塁のピンチも、追い込まれたのはオリックス打線だった。ローズは初球スライダーを中飛。「相手の方が焦っていた」と梨田監督。多彩な決め球を持つダルビッシュのイメージが、打者の早打ちを誘発した。
 通常、立ち上がりは直球主体のダルビッシュだがこの日は初回の全15球中、直球は3球だけ。「これまでにないぐらい悪かった」と女房役の鶴岡。剛速球は鳴りを潜め、最速147キロ止まり。それでも右腕は「今季はどの投手も球速が出ていない。真ん中にいかないように制球だけを注意した」と切り替えも早かった。WBCからの勤続疲労は今も全身を襲っている。首脳陣の計らいで4日のロッテ戦(千葉マリン)前練習は免除され、自宅静養を許された。それでも6日のブルペンに納得がいかず、オフの7日は休日返上で調整した。
 この日の試合中もイニングの合間に上半身と下半身のバランスを改善しようとブルペンで投球。「最後はだいぶ安定した」と7回は全9球中8球が直球だった。「全力投球はしていない。8割ぐらいで投げるのが一番いい球がいきますから」。柔軟な発想に加え、試合中も可能な修正能力。こんなエースがいる限り、日本ハムは上位争いを続ける。

 ≪リードオフマン・田中が3安打≫12球団トップのチーム打率・297を誇る日本ハム打線が、15安打10点と爆発した。リードオフマン・田中は19試合ぶりとなる3安打でけん引。5回1死三塁から左前打を放つと、6回無死一、三塁で中前打と2打点を稼ぎ出した。「久しぶりに仕事をした感じ。固め打ちをして、自分の調子も上がってくれるといいな」とご機嫌だ。梨田監督も「(田中)賢介が出てくれると足もあるしありがたいね」と笑顔だった。

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2009年5月9日のニュース