足でつないで5点!侍ジャパン10人攻撃

[ 2009年2月26日 06:00 ]

4回表、1死一塁、イチローは三塁を陥れる

 侍ジャパンが打って走って4戦連続の2ケタ安打だ。国・地域別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は25日、オーストラリア代表と強化試合を行い、11―2で連勝を飾った。同点の4回にはイチロー(35)の適時内野安打など4連打、打者10人攻撃で勝ち越し。連日のつなぎの野球に“足攻”も絡めるなど、原辰徳監督(50)が目指す野球にナインは自らの役割を熟知し、最高のパフォーマンスを発揮している。

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 足にスランプはない。使い古された言い回しも、侍ジャパンには強力な武器となる。対外試合は4戦連続2ケタ安打。16安打で11点を奪った打線はただの“イケイケ”ではない。打って、そして走る。スタンドが沸いたのは同点の4回だ。

 「(失点直後に)すぐに行っていますから。やられたらすぐにやっているので形としてはいい。ポテンシャルは十分というところじゃない」。イチローも言葉を弾ませて振り返った攻撃は1死一、二塁から。青木が左翼線を抜く一打を放つと、全力疾走で三塁へ到達した。直後に中島が中前打で続くと、代走・川崎が連夜の二盗成功だ。ここでイチローが一塁内野安打。稲葉の左前打の際には一気に三塁を陥れた。鮮やかな4連打。代わったばかりのナックルボーラー・ブラッシングトンを完全攻略した。
 イチローは3回にも一塁内野安打。足で稼いで4試合目で初のマルチ安打をマークした。前日は「脳みその動きを含めて、頭の回転がまだ悪い気がする」と話していた自身の状態については「半分くらいちゃうの。(打撃は)段階を踏んでいくもの」としたが、足の回転はすこぶるいい。それは“一番弟子”ともいえる川崎も同じだった。
 代走として出場する直前の4回の攻撃中、川崎はベンチでストップウオッチを手に投手のクイックモーションのタイムを計測していた。一般的に投手がモーションを起こしてから捕手が捕球するまでのタイムが1・3秒以上なら、二盗成功率は高くなる。「1・4秒の時もあったし、速いクイックでは1・1秒もあった。塁に出てけん制をもらって“これなら行ける”と思った」。1―1からの3球目で完ぺきなスタートを切れたのはバイプレーヤーとしての自覚があったからだ。
 4試合合計で42得点。ノーサインでの結果だけに原監督は「調整でありながらスキのないプレーをしてくれた。大変満足」と称えた。特に川崎、片岡らは「あと1点を取りにいく時の重要なピース」と“足のスペシャリスト”と位置づけている。
 26日から東京に移動。いよいよ本番が行われる場に拠点を移す。西武、巨人との強化試合では「もっとゲーム、実戦をテーマに動く。チームをつくる上でのステップアップ」と原監督。3・5開幕戦へ手応えを感じながら、最終仕上げに入る。

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2009年2月26日のニュース