長嶋さんも大絶賛「原監督は名将」

[ 2008年10月11日 06:00 ]

<ヤ・巨>原監督らナインは、スタンドのファンに帽子を振る

 辛抱の勝利だ。ミスターが耐えて忍んだ“原采配”を絶賛した。巨人終身名誉監督の長嶋茂雄氏(72)は10日、巨人の大逆転V2を都内の自宅で見届け、原監督の手腕をあらためて高く評価した。自身が指揮した96年のメークドラマを超えるミラクル逆転劇。あきらめず、辛抱強くチームを導いた原監督の采配を勝因に挙げ、クライマックスシリーズ(CS)は守り勝つことがテーマとした。

【巨人優勝パネル


 巨人・原監督が宙に舞う姿に12年前の自分をダブらせていた。メークドラマを超える大逆転V。ミスターは思わず言った。
 「あきらめなかったのはオレと原監督ぐらいなもんだろう。辛抱強く若手を使い、あきらめずに本当によくやった。前半戦は辛抱強く、後半戦は積極果敢に戦った」
 11・5ゲーム差を逆転し自身が宙に舞ったのは96年。夏場にリリーフ陣を整備して勝ちパターンをつくり、奇跡のドラマを完結させた。「監督として、あのときも辛抱強さが一番大きかった」。今季の巨人はケガ人が続出し、主力の不調で前半戦に出遅れ。しかし、7月1日のヤクルト戦(東京ドーム)を視察したときミスターは「まだ分からない」と言った。それは12年前の同時期と全く同じ言葉だった。
 「原監督が勝負は夏以降と見据え、李スンヨプ、上原、由伸が戻ってくると信じてた。だから、あのとき(7月)そう言えたんです。13ゲーム差を逆転するなんて原監督でなければできない。若手とベテランがうまくかみ合い、選手を信頼して戦ったことが球史に残る優勝を可能にした」。自身の後継者として監督に指名してから7年。巨人では89、90年の藤田監督以来の連覇を達成した。「連覇というのは、それほど難しいものなんです。それをなし得た原監督の手腕は間違いなく名監督の中に入るでしょう」
 今春キャンプ視察で目に留めた坂本に代表されるように若手が成長。その若手も「原監督だから大胆に使えたんです」と分析し、ラミレスの存在を挙げて「4番にこういう選手がいると監督は打線を組みやすい。軸がしっかりしてたから若手を使い、大胆なオーダーも組めた」と続けた。
 最後はクライマックスシリーズへ向け「守備で勝つ」と締めた。「短期決戦はまず守り。攻め込まれても守りきれるというのを相手に見せることが大切。理想は8日の阪神戦のような戦い。原監督もその辺は考えてるでしょう」。ミスターはメークドラマを超えた原監督の采配に6年ぶりの日本一を見ていた。

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2008年10月11日のニュース