内川の首位打者確実に 右の最高打率も

[ 2008年10月11日 19:49 ]

 【横5-4神】大器は未完に終わることが多いが、横浜の内川は見事に大成した。

 阪神との本拠地最終戦で7回に逆転2ランを放ち、打率は3割7分8厘に。初の首位打者獲得と、ローズ(横浜)が持つ右打者の最高打率3割6分8厘5毛の更新は確実となった。「1年間やってきたことが、最後の打席でも出せた」と内川は充実した表情だ。
 大分・大分工高出身。4年目の2004年に17本塁打を放つなど、打撃センスは確かだった。ただ、精神面の弱さから攻守に安定を欠き、これまで規定打席に一度も到達しなかった。
 8年目の今季、内川が心掛けたのは体の重心を一定に保つこと。「打席でも守備でも、へその下に意識を置く。そこを起点に、体を動かすイメージ」で打撃改造に取り組んだ。これまでは「体の前ばかりで球をさばいていた」が、ミートポイントを左太ももの前に保ち「詰まることを恐れずに振った」という。
 広角的に打つ技術を身につけたことで、右の安打製造機へ成長。内野安打を除く打率は3割5分を超え、これは1994年に210安打を記録したイチロー(当時オリックス)の3割4分5厘を上回る。
 今季は巨人と阪神の激しい優勝争いが演じられたが、最下位横浜からは記録を塗り替える男が現れた。

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2008年10月11日のニュース