イチロー4安打!200本まであと「10」

[ 2008年9月12日 06:00 ]

1回、三塁内野安打を放つマリナーズのイチロー

 【マリナーズ8―7レンジャーズ】マリナーズのイチロー外野手(34)が10日(日本時間11日)、レンジャーズ戦で今季3度目の4安打をマーク。一気に今季190安打とし、大リーグ記録の8年連続200安打まで残り10本のカウントダウンに入った。18試合を残し張本勲氏(本紙評論家)の通算安打の日本記録(3085安打)へもあと25本に迫り、今季中の到達が見えてきた。

【MLBTシャツ


 試合後のクラブハウス。興奮冷めやらぬイチローは冗舌だった。
 「この時期になると(1試合で)2本は計算しても3本以上は計算しない。そこで4本は大きすぎる。一度でも3安打が出れば良しと考えるので、これはでかい」
 本人も想定外のシーズン終盤での4安打。「大きい」「でかい」を連発するほど、気持ちは高ぶっていた。
 3安打で迎えた7回の第5打席、最大の敵は“影”だった。デーゲームの終盤は球場の構造上、打席が完全に影で覆われ、マウンドには強い西日が差す。「あの打席はもう影の関係だけ。それが一番邪魔していた。何となく、野球のボールの大きさではとらえない感じになる」。遠近感を狂わせる難敵に、ボールを通常より大きくとらえる独自の方法で対処。外角低めの直球を人並み外れた動体視力でとらえた打球は、遊撃手の右を襲う内野安打となった。
 毎年170本から190本までの難しさを実感するイチローにとって、最後の打席で出た4安打目はとりわけ価値が高いという。「あそこで出ないと、次の試合で190に到達したいという感情が生まれる。それを1日前にクリアしたのは、ものすごく大きい」。大きな重圧と戦いながら、16試合かけて“難所”を越えた喜びは格別だった。
 200安打が完全に安全圏に入り、今季の最終目標は通算安打の日本記録となった。張本氏の3085安打まで残り18試合で25安打。過去7年間で5度、最後の18試合で25安打以上放っており、十分到達可能な数字だ。日本選手として未知の領域へ踏み出す瞬間は、すぐそこに迫っている。

続きを表示

2008年9月12日のニュース