12球団緊急会談で“田沢問題”協議

[ 2008年9月12日 06:00 ]

多くの報道陣から取材を受ける田沢(中央)

 新日本石油ENEOS・田沢のメジャー挑戦表明を受け、日本プロ野球組織(NPB)は11日、予定していた事業委員会を変更して緊急の12球団代表者会議を開き、対応を協議した。巨人・清武球団代表は、大リーグ球団の中に田沢獲得の動きがあることに遺憾の意を表明するという12球団の統一見解を会見で発表。大リーグ機構と連絡を取ったことを明かして「一部(球団)がやっていることで大リーグ側も対立、混乱は望んでいないと表明した」とした。さらに、ドラフトのルールやメジャースカウトの事前接触ルールなどについて見直す委員会を19日に設置、第1回会合を開くことを決めた。

 今秋ドラフトで希望球団は指名できることを確認したが、不作とされている今ドラフトだけに田沢不在のショックは大きい。1巡目指名を検討していた横浜の山中連盟担当が「必要あらば指名する」と話せば、日本ハムの島田チーム統括本部長も「うちは(選手が)どこに行くと言っても指名する球団だから」と“強行指名”をにおわせるなど、田沢サイドの思惑通りに進まない可能性も出てきた。
 「法的には縛れなくても、お互いの信頼関係で40年以上、維持されてきた。信頼関係の中で解決したい」と清武代表。15日にはNPBの長谷川事務局長がWBC運営委員会出席のために渡米する。16日(日本時間17日)には米ニューヨークでMLB側と今回の問題についても協議する予定で今後、加藤、MLB・セリグの日米コミッショナーによる会談を早急に行うことも検討。新たなルールづくりへ動きだす。イチロー、松坂らトッププロの流出だけでなく、今回を契機に生まれてしまうトップアマの流出という新しい流れだけは阻止する構えだ。

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2008年9月12日のニュース