阿部 連敗脱出弾!54打席ぶりの1発

[ 2008年9月12日 06:00 ]

<中・巨>7回無死一塁、阿部はライトスタンドへ15号となる2ランを放つ

 【巨人4―2中日】練習通りの大きなフォロースルーだった。巨人は同点とされた直後の7回無死一塁。阿部らしいスイングでとらえた打球は、長い滞空時間の末に右翼席に達した。「久しぶりだね。いつかは出るだろうという気持ちで打席に立った。完ぺきでした」

 5試合、19打席ぶりの安打だった。2回無死一塁では遊ゴロ併殺に倒れただけに「ゲッツーだけはやめようと思った。頭をよぎっていた。引っ張れる球をと思っていた」。チームが3敗を喫していた山本昌からの今季2本目に胸を張った。
 北京五輪から帰国後、休む間もなく試合に出続けている。「(疲れは)ないです」と言いながら、前日には「オレ、へばっているように見えるかな?」と本音も漏らしていた。疲労がピークに達する中での決勝打。10代の頃の“野望”が阿部を支えていた。
 中学、高校時代にひたすら飛距離を求めるスイングを繰り返した。「あの頃は毎日“どうしたら遠くに飛ばせるんだろう”って考えて練習したなあ」。プロ入り後も定期的に行うロングティーは、10代を思い出す作業だ。54打席ぶりの15号は、120メートル飛んだ。
 連敗を3で止め、天敵相手に今季初勝利。今季初めて1番に谷を起用し、阿部の決勝弾が飛び出した7回には犠打も考えられる場面で強攻策が成功した。原監督は「今こそ守りより攻撃的にいく」と前を向いた。首位・阪神とは6ゲーム差。「チームがいい方向にいくように協力して頑張りたい」と阿部も前を向いた。

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2008年9月12日のニュース