イチロー「凡打も僕を磨いてくれた」

[ 2008年7月31日 06:00 ]

重圧から解き放たれ、会見で満面の笑みを見せる

 イチローに聞く

 ――節目を通過して、あらためての思いは?
 「92年の初ヒットは嫌々打ちましたけど。嫌々、というのは1軍を拒否していたのに行かされた福岡遠征でのヒットだったので。そこからここまで、長いとは思わない。でも、この1週間はやけに長かった、と思いました」
 ――長い、と思わせるものは何だったのか?
 「意識をさせられて、結果を出せない打席が続いたことでしょうね」
 ――前日の夜からこの日にかけての時間は嫌だった?
 「え~っとね。トロの量が多かったな。いつもより。ラーメンの量もいつもと同じやったし、その後は変わらないね」
 ――敵地ながら拍手がわき起こっていたが。
 「何もないと思っていたので、凄く戸惑いましたね」
 ――張本さんも「あっぱれだ」と絶賛した。
 「そこはあえて“喝!!”と言ってほしかったですけどね。あっぱれ、と言ってしまいましたか」
 ――3000安打を狙え、と言われた当時は目標として意識できたか?
 「できないですよ、そんなの。だから、それを本当に張本さんがこの日のことを想像して言われてたら、凄いことですよね。でも、誰にでも言うわけじゃない、僕に何かを感じてくれたんだと思う。ガミガミ言うだけのじじいじゃねえな、という感じはしますよね」
 ――日米で合わせての3000安打ということについてはどう思うか?
 「日本で積み上げてきた安打だけではなく、凡打も僕の技術を磨いてくれた。日本で養われた技術を使ってヒットを打っている。ですから、18、19の時に(メジャーに)来ていたら、なんて発想はないよね。アメリカの人には日本でのヒットなんて、という声はあると思うけど、それを言われたら“アメリカでのヒットの方がペースが速い”と言い返しますけどね。日本の方がレベルが高いんじゃない、みたいなことも言える。そこは誇りにしているところ」
 ――日米通算記録という問題が議論されるきっかけにもなった。
 「最初は気持ちいいよね。自分が議論を巻き起こすというのは悪い気はしない」
 ――次の目標は?
 「来シーズンが終わる時までに大リーグの2000本を達成したい」

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2008年7月31日のニュース