まさか山崎武「いやあ、やっちゃったな」

[ 2008年7月31日 23:02 ]

サヨナラ打を放ち、大喜びで一塁を回る山崎武。小久保も大喜び

 【全パ5―4全セ】 たった一振りでMVPをかっさらった。楽天の39歳、山崎武が9回にサヨナラ打。「いやあ、やっちゃったな。こんな経験ないでしょう」。笑いが止まらなかった。

 出場予定はなかったが、9回同点に追い付き、なお1死一、二塁の絶好機で声がかかった。「9回までスパイクも履かず、バットもやっと最後に出したぐらい」と言う。「目の前でMVPがチラチラ」もしていたそうだが、ベテランの勝負勘は研ぎ澄まされていた。「あれだけ松中にフォークを投げていたし、初球の直球だけは振り遅れないようにと思った。外野も相当前に出ていた。当てれば越える」。狙い通り、初球の直球を右方向へ。打球は右翼手の頭上を楽々と越えた。
 オールスターに“初出場”したのはプロ2年目の1988年。ナゴヤ球場でブルペン捕手としてだった。「大野さん(元広島)や槙原さん(元巨人)がバンバン投げて、捕球もままならなかった。同じ選手と思えなかった」。そこはまさに、スターが集まるあこがれの舞台だった。
 それから20年。2000年の第2戦(神戸)には中日の選手でMVPを獲得しており、落合、清原、新庄に続く史上4人目となる両リーグでの受賞となった。山崎武自身が押しも押されもしないスターになっていた。

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2008年7月31日のニュース