金本 ミート打法で千金同点三塁打

[ 2008年3月29日 06:00 ]

<阪神・横浜>開幕戦勝利を飾り、藤川(右)に向かってサムアップの金本

 【阪神4―2横浜】08年初戦。今岡と上がったお立ち台で金本は「(クリーンアップの)3人で333打点ぐらいできたらいいですね」。虎党をわかせるセリフを吐くと「最後に個人的には…」と続けた。「開幕戦で活躍できたことを監督、コーチ、トレーナーやみんなにお礼を言いたいです。ファンの皆さまもありがとうございました」。アニキの感謝を込めた一打が開幕戦の重苦しい空気を振り払った。

 2点を追う4回。2つの四球で1死一、二塁。金本がフルカウントからの甘く入った147キロをとらえた。右中間を深々と破る同点三塁打。2000本へあと12となる1本は08年チーム初安打が貴重な同点打となった。
 「今の状態では振りにいったら駄目。合わせていこうと」。代名詞のフルスイングを封印した理由がある。昨年10月19日に左ひざを手術。鉄人が初めて体にメスを入れた。リハビリは順調だったが、オープン戦は苦しんだ。故島野育夫前総合特命コーチ(享年63)の追悼試合で1打席限定出場した3月5日広島戦でいきなり本塁打も、本格復帰した15日から6試合16打席無安打。手術から5カ月。100%の状態まで戻っていないままの開幕突入だからこそミートに徹した。
 アニキの魂の一打に弟分の新井も一塁から和田三塁コーチの制止を振り切り、本塁へ突入。今季復活を懸ける5番の今岡も中前へ勝ち越し打で続き「走者を還すことだけ考えてました。きょうみたいに金本さんが打った後に打てるように頑張りたい」と熱く話した。
 「ヒットは少なかったけど、いい点の取り方ができた」と岡田監督。4年ぶりの開幕戦勝利。巨人が敗れ、中日が引き分けた中、しっかりと白星を手に入れた。

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2008年3月29日のニュース