平安“最後”の大会 魂の再試合

[ 2008年3月29日 06:00 ]

 【平安3―3鹿児島工】平安ナインのあきらめない気持ちが、春夏通算65度目の甲子園で初の引き分け再試合につながった。延長15回の守り。1死二塁から、中前に抜けた打球を山口主将が一度はファンブルしたが、すぐに拾い直して本塁へ好返球。タッチアウトに仕留めてサヨナラを防いだ。死力を尽くした3時間8分。原田監督は「勝ち切れなかった思いの方が強い。もう少しバットを積極的に振らないといけない」と序盤の拙攻を戒めつつも「プラスに考えたい。ラッキーだし、ツキがあります」と振り返った。

 記念大会による変則トーナメントのあおりを受け、2日連続の試合となったハンデも克服。創部100周年のメモリアルイヤー、4月に校名が龍谷大平安となるため現校名では最後となる今大会にかける思いは強い。ロングリリーフの小林は「1試合でも多くユニホームを着たい。負けるわけにはいかない」とナインの気持ちを代弁していた。

 <鹿児島工 内村194球力投>鹿児島工はエース内村が延長15回194球を1人で投げ抜いた。カーブを効果的に使い、打者の打ち気をそらす巧みな投球だったが「狙い通りの投球はできたが、悔いは残る」と悔しそうな表情。延長に入ってからは右ひじに張りを感じ、13回ごろから痛みがあったという。15回は二塁からサヨナラのホームを狙ったが、本塁で憤死。「あの走塁は仕方がない。次に気持ちを切り替えるだけ。ここまできたら、負けるわけにはいかない」と、30日の再試合へ向け闘志をむき出しにした。

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2008年3月29日のニュース