東洋大姫路が5年ぶりベスト8

[ 2008年3月29日 16:27 ]

<東洋大姫路―八頭>8回、東洋大姫路1死一、三塁、亀井の二ゴロの間に三走三谷がガッツポーズで決勝の生還。捕手平井

 第80回選抜高校野球大会第8日は29日、甲子園球場で3回戦を行い、第3試合は東洋大姫路(兵庫)が八頭(鳥取)を1-0で下し、5年ぶりにベスト8に進出した。

 東洋大姫路は0-0で迎えた8回1死一、三塁から亀井のニゴロで貴重な1点をもぎ取った。エース佐藤は2安打完封、10奪三振の力投だった。
 八頭のエース平木は9安打されながら1失点と踏ん張ったが、打線が援護できなかった。

 ≪強気エース甲子園30勝導く≫東洋大姫路のエースは何とも勝ち気だ。内野安打2本の完封にも、佐藤は当然とばかりに、ニコリともしない。むしろ「四死球が多いんで納得していない」と反省の言葉ばかりが出る始末だ。
 試合前、中学時代からバッテリーを組む的埜に「任せてくれ」と言われたにもかかわらず、サインに何度も首を振った。「投げたい球を投げたいんで」と右腕。その自信通り、1回1死一、二塁を併殺打で切り抜けると、後は二塁すら踏ませない快投だった。
 ワンバウンドするような切れのあるスライダーに、打者のバットがくるくる回る。140キロ近くの直球を外角低めにドスンと決めると、相手は全く手を出せない。奪った三振は10個を数えた。
 「向こう気の強さが左右することがある」と堀口監督は心配する。初戦の一関学院戦では勝ち急ぎ過ぎて力み、9回に大ピンチを招いた。この日は7回まで0―0の投手戦にも「我慢した」と集中を切らさなかった。
 東洋大姫路の春夏通算30勝目を導いた右腕は「優勝して新しい伝統をつくりたい」と、最後まで強気なコメントを貫いた。
 ≪チームメートかばう平木≫八頭の平木は敗れたが2試合連続無四球と持ち味を出した。完封した初戦同様、打たせて取る投球がさえ、8回の唯一の失点も二ゴロの間のもの。「悔しい。まだ粘りが足りないということなんでしょう」と少し疲れた様子で話した。
 無念の右腕は、二塁手・声高が処理にもたついて併殺を取れなかった失点の場面を振り返り「秋の県大会から声高にずっと守ってもらっている。きょうも感謝しています」とかばった。

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2008年3月29日のニュース