スマイル野球で聖望が8強一番乗り

[ 2008年3月29日 06:00 ]

<聖望学園・履正社>最後の打者を抑えガッツポーズする聖望・大塚(左)

 第80回選抜高校野球大会第7日は28日、2回戦の残り1試合と3回戦2試合を行った。第2試合では初出場の聖望学園(埼玉)が、履正社(大阪)の終盤の猛攻を7―5で振り切り、8強1番乗りを決めた。第3試合の鹿児島工(鹿児島)―平安(京都)は延長15回を3―3で終え、大会規定により引き分け再試合となり、30日の第1試合に組み込まれた。29日は3回戦3試合を行う。

 【聖望学園7―5履正社】エース・大塚が最後の打者を中飛に打ち取るとグラウンドに笑顔が広がった。センバツ初出場で8強1番乗り。就任23年目の岡本監督も喜びを爆発させた。「苦しい試合。でもウチはのびのびですよ。のびのび」。何度も同じ言葉を口にした。
 2回に今大会初出場の2番・村田の先制2点適時打をきっかけに4点。6回終了時点で6―0と快勝ムードも、大塚が7回2死から6連打を浴びて4失点。結局、7―5の辛勝となったが、指揮官は選手を褒め続けた。
 夏は甲子園に2度出場し、85回大会(03年)に8強進出。だが、その後はなかなか甲子園の土を踏めなかった。現状を打破しようと岡本監督が取り入れたのが「けじめある自由」だ。これまでのスパルタ式をやめ、自主性を尊重。学生としての規律さえ守れば、それ以上強要しない自由な指導方針への転換で、笑顔が絶えないチームに生まれ変わった。
 2点差に追い上げられた7回に貴重な左越えソロを放った大塚も「監督に笑顔で狙ってこいと言われた。打ってやろうと思った」と表情を崩した。投球の方は14安打を浴び5失点と課題を残したが「自分たちの野球を信じて頂点を目指す」と力を込めた。初戦突破を目標にしていた岡本監督も躍進ぶりに思わず「このチームは強いかもしれない」とつぶやいた。まだまだ続くのびのび野球。頂点に届くまで“聖望スマイル”が絶えることはない。

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2008年3月29日のニュース