中田激走三塁打!初マルチ安打も

[ 2008年2月15日 06:00 ]

紅白戦の6回、中田は右中間三塁打を放ち激走

 怪物が“怪足”で魅せた。日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が14日、紅白戦で3番・三塁でスタメン出場し、4打数2安打とプロ入り初のマルチ安打を記録した。4回に三塁強襲の内野安打、6回に右中間三塁打で激走。103キロの巨体からは想像できない俊足を披露した。8回からは初めて一塁守備にも就くなど、走攻守で存在感を示した。

 巨体を揺らして激走した。6回、中田の第3打席だ。海風に乗って伸びた打球を追いかけた中堅・糸井、右翼・佐藤が右中間フェンス前で交錯。一塁を回った怪物は、ボールが芝に落ちた瞬間を見逃さなかった。

 「ちょっと差し込まれたけど、押し込み気味に打てたから、あそこまで飛ばせた」。どっしりとした下半身を支える両足が高速回転した。二塁を蹴ってトップギアに入ると、最後はスライディングもいらなかった。「いつ以来かは記憶にないッス」。予想外のスタンディングトリプルにスタンドが沸いた。

 持ち味は高校通算87発のパワーだけではない。50メートルは6秒2。プロ野球の入団テストの合格タイムは6秒3程度だから、スピードも十分プロレベルといえる。「小さいころから逃げ足が速く、つかまえるのが大変だった。運動会はいつも活躍していました」と母・香織さん。見た目とのギャップも大きな魅力だ。

 これまで周囲から何度もダイエット指令を出されたが「体形を気にするつもりはない」とケロリ。中田にとって“動けるデブ”こそ理想なのだ。それは4回の激走にも表れていた。左腕・宮西(関西学院大)とのルーキー対決。カーブを豪快に引っ張った痛烈な打球が三塁・小谷野のグラブをはじいた。遊撃手・陽仲寿(ヨウ・チョンソ)がこぼれ球を拾い、すぐさま一塁へ送球したが、全力で駆け抜けセーフ。足で紅白戦初安打を稼いだ。

 103キロの重戦車はスピードだけでなく“うまさ”も見せた。続く4番・スレッジの一ゴロに素早いスタートを切った。一歩目の反応が遅れれば併殺となる可能性もあった際どいタイミングだが、二塁へ送球させることなく、きっちりと進塁。「ああ見えて意外と走る能力もある」と梨田監督も目を細めた。

 守備でも存在感を示した。三塁手として2度の守備機会を無難にさばくと、8回からは13日に鎌ケ谷から届いたばかりのミットで、初めて一塁を守った。守備機会は遊ゴロの送球を捕球しただけだったが、指揮官は「1年のとき甲子園で一塁守備を見ているので安心感がある。三塁が基本だが対外試合で守らせる可能性もある」と、あす16日の練習試合・阪神戦(宜野座)でテストする可能性を示した。打って、守って、走る。大きな体には無限の可能性が詰まっている。

 ≪中田 待望のチョコゲット≫中田が待望のチョコレートをゲットした。名護から2軍の国頭へ移動するバスの前で、北海道・江別出身の渡部真与さん(18)がプレゼント。「中田くんはいい人っぽいです」と笑顔の渡部さん。球団関係者によると、ここまで中田あてで選手宿舎に届いたものはなく「あとは鎌ケ谷の寮にどれだけ来ているか…」とのこと。

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2008年2月15日のニュース