野茂 3年ぶりキャンプイン!

[ 2008年2月15日 06:00 ]

ロイヤルズでキャンプインした野茂(右)

 ロイヤルズとマイナー契約した野茂英雄投手(39)が14日(日本時間15日)、米アリゾナ州サプライズ地でキャンプインした。メジャーキャンプ参加はデビルレイズに在籍した05年以来、3年ぶり。背番号91をつけたパイオニアは1年目の薮田安彦投手(34)らとともに軽快な動きを披露した。13日のブルペン投球で投じた“新兵器”チェンジアップを引っ提げ、メジャー昇格への第一歩を踏み出した。

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 曇り空を吹き飛ばすような充実した表情で野茂はグラウンドに飛び出した。練習前はチームメートと談笑する場面もあったが、アップ開始と同時に顔つきは変わった。チームカラーの青いフリースの下に着たユニホームの背番号は91。米10球団目で一番大きい数字を背負い、メジャー昇格を懸けた野茂の08年が幕を開けた。

 選手たちが集まり始める午前8時前から野茂の初日は始まった。ウエートトレーニング室にこもり、黙々と汗を流した。昨季まで日本ハムで指揮を執ったヒルマン監督は練習前の会見で「野茂はアメリカの文化と調整法もよく分かっている」と信頼を寄せ、薮田の“相談役”にも指名した。ロッカールームは薮田の隣で、投手陣を4つに分けたグループでも同組となった。13日の集合日が初対面だったが「何か分からないことがあったら、聞いてくれたら何でも答えるから」と薮田に声を掛けた。そんなしぐさひとつにも、メジャーで11シーズンを過ごしてきた風格があった。

 前日のブルペン投球では38球中、これまで投げていなかったチェンジアップを5球投じた。直球とフォークを基本軸とすることへの信念に揺らぎはないが、衰えた球威をカバーするために新たな武器を習得。これまでも年齢を重ねるとともにカーブ、ツーシーム、スライダーと増やしてきた。ロ軍キャンプに参加する投手は招待選手11人を含めて25人以上。自らのスタイルに固執するのではなく、生かすための配球を考える。それこそ、メジャー昇格争いを勝ち抜く近道だ。

 仕上がりの良さにマクルア投手コーチは「野茂には豊富な経験がある。より多くの登板機会を与えることになるだろう。タイムリミットをつくるつもりはない」と登板数を優遇し、昇格の有無を開幕直前まで見極める方針を示した。

 05年7月にデ軍を解雇されて以降、ヤンキース、ホワイトソックスのマイナーに所属したが、メジャー復帰はならなかった。06年夏に行った右ひじの手術以降はリハビリで1年半、苦しみ抜いた。そんな苦い過去を背負い込んだ背番号91は、3年ぶりのメジャーキャンプとなるアリゾナのグラウンドに立った。

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2008年2月15日のニュース