美香 100%自分を信じて1打差2位浮上

[ 2012年6月10日 06:00 ]

第2ラウンドで、ティーショットを放つ宮里美香

USLPGAツアー全米女子プロ選手権第2日

(6月8日 米ニューヨーク州ピッツフォード・ローカストヒルCC=6534ヤード、パー72)
 初日4位の宮里美香(22=NTTぷらら)が“100%ショット”で2位に浮上した。3バーディー、3ボギーの72と耐えて通算2アンダー。メジャー大会での米ツアー初勝利に向け首位と1打差の好位置で決勝ラウンドに進んだ。宮里藍(26=サントリー)は74とスコアを落として通算イーブンパーの12位。朴セリ(34=韓国)が通算3アンダーで首位に立った。

 グローブの手のひら側に小さく書かれた「100」の文字。「きょうも最後までよく耐えた。自分を褒めてあげたい」という宮里美の好プレーを支えた小さな秘密だった。

 先週のショップライト・クラシックは初日首位と好発進。ところが、2日目に崩れて優勝争いから後退し、その夜にメンタルコーチのクリスチャンさんに電話をかけた。自らのプレーに自信を持てずにいた宮里美は「自分が決めたショットは100%信じて打ちなさい」とアドバイスを受け、翌日の最終日からグローブに「100」と書き始めた。

 そんな100%の気持ちが形となったのが13番パー4だった。それまでに2つスコアを落とし、ここでもティーショットはラフへ。2打目でフェアウエーに脱出しても残りはまだ29ヤードあった。高低差の大きい2段グリーンでピン位置は下の段。宮里美は「ピンを越えて35ヤード打って傾斜を利用して寄せればいい」と心を決めた。キャリーでピンを越えたボールは段を上りきる直前でブレーキがかかり、傾斜を戻りながら一気に加速。そのまま音を立てて勢いよくカップに吸い込まれた。

 「凄く気持ちよかった」というチップインでこの日初めてのバーディー。米国のテレビ中継でも「Shot of the day(この日の一打)」として繰り返し放送された会心の一打で重苦しい雰囲気を変えた。昨年7月の全米女子オープンではトップで予選を通過し、今回も1打差の2位で決勝ラウンドに進出。「我慢勝負になると思うし、あまり先を見すぎてもしようがない」と米ツアー初優勝だけを信じて、残る2日間も100%を振り絞る。

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2012年6月10日のニュース