ジャンボ66急浮上14位!“ひょっとしたら…”快挙も

[ 2010年11月20日 06:00 ]

ダンロップフェニックス2日目、1番ホールでティーショットを放つ尾崎将司。2アンダー、14位タイでホールアウトした 

 男子ゴルフツアーのダンロップ・フェニックストーナメント第2日は19日、宮崎県宮崎市のフェニックスカントリークラブ(7010ヤード パー71)で行われ、先月に世界ゴルフ殿堂入りしたばかりの尾崎将司(63=マックス・インターナショナル)が、6バーディー、1ボギーで今季自己ベストとなる66をマーク。初日の47位から通算2アンダーの14位まで急浮上し、5月のダイヤモンド・カップ以来となる今季3度目の予選突破を果たした。94年から3連覇を飾った得意のコースで、ジャンボがもう一度夢を追いかける。2日間ノーボギーの池田勇太(24=日清食品)が通算9アンダーで首位に立ち、石川遼(19=パナソニック)は通算3オーバーの49位で予選を通過した。

【第2R成績


 久々に威勢のいい笑い声が響き渡った。報道陣から“ナイスプレー”と声をかけられたジャンボ尾崎は、得意満面の笑みでこう答えた。
 「サンキュー!!」
 まさかといっては失礼だが、驚き以外の何物でもない。今季はここまで20試合に出場しながら、最近5カ月間は予選も通れずにいた。しかし、この日はティーショットを左の林に入れた14番以外はボギーを叩かず、6バーディーを奪う驚異のチャージを見せた。
 原動力となったのはティーショットの安定感。「練習場でのいい手応えがやっとコースで発揮できた」。フェアウエーを外したのは3ホールだけで、曲げればすぐに松林が待ち構えるコースで「絶対的なアドバンテージになる」というフェアウエーキープ率は6位。一方で63歳となっても560ヤードの18番パー5では果敢に2オンを狙うなど、飛ばしにこだわる姿勢ももちろん健在だ。
 今大会は37年連続出場を続けており、96年には3連覇達成で前人未到の通算100勝目を挙げた思い出もある。当時激しく優勝を争ったトム・ワトソンの12年ぶりの参戦も闘争心に変えて「やっと私も報道陣に囲まれるようになった。これからもどんどん私のところに(取材に)来なさい」とどこまでも上機嫌だった。
 世界ランク上位選手が集う今大会の優勝者は、例年通りなら来年のHSBCチャンピオンズの出場資格を得られる。今大会5年ぶり、しかも上位をうかがう位置での予選突破は、ツアー最年長優勝記録の更新だけでなく、世界への扉を再びこじ開けるチャンスでもある。荒唐無稽に思えても、ひょっとしたら…。先月6日の世界殿堂入りの会見で「もう一度優勝争いをしたい」と語ったジャンボ。残る2日間、夢を見続ける人間は、周りの人間にも夢を見せ続けることができる。

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2010年11月20日のニュース