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【コラム】海外通信員

リーベル黄金期復活なるか!?

[ 2014年2月7日 05:30 ]

 2013年12月にパサレラがリーベルの会長を任期満了で退任した。2部降格というクラブ史上最悪の汚点を残して、元アルゼンチン代表キャプテンはクラブを去り、新たにロドルフォ・ドノフリオ(Rodolfo D’Onofrio)が、クラブ会員により新会長に選ばれた。4年前の会長選挙でもパサレラに6票差の僅差で敗れたが、今年70歳の数社を経営する実業家だ。家族は代々がリーベルファンで、ロドルフォも生まれたときからリーベルファンとして育ち、一ファンとしてもチームの復活を心から願っている。

 「リーベルの財政状況は、現在Cクラス(3部リーグ)。もしここで持ちこたえることができなければ、Dクラス(4部リーグ)並みになってしまう。クラブの状況はひどく、厳しい。合理的に物ごとを行わなければクラブ存続は困難だ。経営者は無責任な行動をとってはいけない。1ペソの収入もしっかりと管理していかなくてはならない」と話し、アギラール、パサレラ会長時代のずさんな経営を批判した。

 パサレラはアルゼンチン代表やリーベルのキャプテンとして多くの栄光に包まれてきたが、その裏では“独裁者”としての一面を持っていることでも知られている。アルゼンチン代表監督時代にも問題視されたことがあったが、彼がクラブを去ったことで、クラブから距離を置いていた関係者も戻ってきた。95~97年のリーベル黄金時代のキャプテン、エンソ・フランチェスコリは技術担当秘書という肩書きで、無給ながらチーム再建に力を注いでいる。ミスターリーベルといわれるノルベルト・アロンソ、元アルゼンチンGK代表のウバルド・フィジョールらも同じ肩書きで名を連ねている。

 もちろん選手にも好影響を与えている。2月7日開始のリーグ戦にむけて、現在夏のプレシーズンマッチが行われている。中でも注目が集まるのは、この時期に3試合行われるリーベル

 ボカの南米スーパークラシック戦だ。1月18日は1-1、25日は2-0、2月1日は2-1と、リーベルは2勝1分け。「95~97年の常勝チームが復活するのではと、ファンの期待も大きい。さらにストライカーのカベナギも戻って来た。2部落ちした時、真っ先に移籍してきて1部復帰に貢献したが、直後にパサレラ会長に解雇される非情な扱いを受けた。彼の復帰がチームに一体感をもたらせていることはまちがいない。ラモン・ディアス監督は「新しい経営者になってクラブはほんとうに変わろうとしている。会長とは飾らずありのままを話せるし、これからもいい方向にいくはずだ」と満足そうに語る。ドノフリオ会長も「焦らないで、少し我慢してほしい、必ず良い結果を出してクラブを再建する」と、サポーターに語りかけている。

 2011年の2部リーグ降格から2年半、クラブに一体感も生まれ、進化するはずだ。(大野賢司=ブエノスアイレス通信員)

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