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【コラム】海外通信員

W杯北中米カリブ海予選 米国、メキシコが軸 番狂わせはあるか!?

[ 2013年1月20日 06:00 ]

移籍したトットナム(イングランド)でも活躍中の米国代表FWデンプシー
Photo By スポニチ

 いよいよ14年ワールドカップ北中米カリブ海(CONCACAF)予選、第4ラウンド、最終予選が始まる。

 既に最終予選の半分が終わっているアジアとは違い、CONCACAFは2月6日を皮切りに6チームが10月15日までホーム&アウェーで対戦する予定だ。上位3チームがW杯出場、4位チームがオセアニア予選1位とのプレーオフに進出する。

 最終予選進出チームは以下のとおり。
・アメリカ
・メキシコ
・ホンジュラス
・ジャマイカ
・コスタリカ
・パナマ

 10月まで最終予選が続くのだから、6月のコンフェデレーションズ・カップはその真っ最中ということになる。CONCACAFからの出場国はメキシコだが、そのメキシコは6月7日にアウェーでパナマと、11日ホームでコスタリカと対戦した後、16日からコンフェデ杯登場となる。次の予選ゲームは9月6日のホーム、ホンジュラス戦なので間があるが、W杯出場を決め、最終予選を終えて参加する日本とは姿勢が違いそうだ。メキシコと日本は同じグループAなのでどんな闘いになるか楽しみである。

 さてそんなCOCACAF最終予選において筆者がやはり気になるのは7大会連続出場を目指すアメリカだ。3つのグループで争われた第3ラウンドではグループA首位での進出となっている。

 ただ気になるのは格下のグアテマラ戦で1―1と引き分け、ジャマイカ戦で1―2で敗れている点。いずれもその後ホームで勝利しているが、こうしたアウェーでの苦手意識はアメリカへのライバル意識が激しいメキシコがいるだけに弱点となるかもしれない。

 アメリカの中心選手はやはりFWランドン・ドノバンだ。00年に代表デビューしたドノバンは149キャップを数え、アメリカ代表メンバーの中でも突出した経験を誇る。今回進出すれば4大会連続出場となるが、まだ30歳。所属するMLSロサンゼルス・ギャラクシーでは12年限りで退団したデビッド・ベッカムと共にチームを引っ張り、リーグ連覇の立役者となった。代表でも昨年3ゴールを決めている。

 さらに今乗りに乗っているのがFWクリント・デンプシー。昨年代表でチーム・トップの6ゴールを記録した。また今シーズン移籍した英トットナムでも4ゴールを挙げている。

 一方、アメリカの前に立ちはだかるのはやはりメキシコだろう。ワールドカップ14回出場、5大会連続ベスト16を誇るメキシコは際だった存在であり続けている。今予選第3ラウンドでも6勝無敗で最終予選に歩を進めている。前述したように特にアメリカには異様なまでの対抗意識を燃やすので、今回も難敵中の難敵となるだろう。

 また2大会連続出場を狙い、反米感情を持つ国民も多いホンジュラス、第3ラウンドで勝利したジャマイカにも足下をすくわれる可能性がある。

 CONCACAFはメキシコ、アメリカが2強と言われることが多いが、ことアメリカにとっては番狂わせを食らう可能性がないわけではない。どんな展開が待っているか、見守っていきたい。(渡辺史敏=ニューヨーク通信員)

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