×

【コラム】海外通信員

MLSの東日本大震災支援

[ 2011年3月16日 06:00 ]

 3月11日に起こった東日本大震災。被災した人々を支援する動きはヨーロッパだけではなく、ここアメリカのサッカー界でも起こっている。

 プロ1部リーグ、メジャーリーグ・サッカー(MLS)ロサンゼルス・ギャラクシーに所属し、日本でも人気があるMFデビッド・ベッカムは救援活動のための資金を集めるための活動を支援することを発表した。

 ユニセフ親善大使も務めるベッカムは「この災害は余りに多くの家族を直撃している。残念なことにこうした国際的な悲劇は常に起こっていることだ。私の心はそうした人々に向いている」、「彼らは今まさに家や財産を失う危機に直面している。しかしこの悲劇に直面している人々の希望や士気を上げる時でもあると思う」と語り、「可能な限りの方法で援助したい」としている。

 さらに「サッカーや他のスポーツには人々の心を引きつけるものがある。それがスポーツの力だ」とサッカー及びスポーツ界が支援することの重要性を強調した。

 また、チーム単位での支援を発表したのが同じMLSのサンノゼ・アースクエイクスだ。

 19日に本拠地バックショー・スタジアムで行われる対レアル・ソルトレイク、シーズン開幕戦の入場者1人ごとに1ドルを日本の犠牲者に対し寄付する。さらにシーズンを通して自チームのゴールキーパーがセーブをするごとに50ドルを赤十字に寄付することも合わせて発表した。

 サンノゼはカリフォルニア州サンフランシスコ近郊で、ベイエリアと呼ばれる地域にありシリコンバレーの中心でもある。サンフランシスコも含め、過去に何度も大地震に見舞われており、そのことを逆手にとって「地震」というチーム名がつけられた。

 また、この地域には現在のIT関連企業のみならず古くから日系人、日本人も数多く在住している。

 それだけに今回の震災を見逃すことはできなかったのだ。デビッド・ケイバル社長は「日本を襲った出来事を我々は深く悲しんでいる」の声明を発表。さらに「組織としてコミュニティのリーダーであることは我々の任務だ。ベイエリアにこの悲劇の影響を受けた家族が何千もあることを知っている。私個人としても我々のファン全員が救援活動への寄付をしてくれることをお願いしたい」と今回の支援活動がさらにファンにも広がることを望んでいることを明らかにした。

 今後もこのような支援の動きは広がっていきそうである。

 MLSコロラド・ラピッズには川崎Fユース出身のDF木村光佑が所属している。幸い彼の家族は無事だったということだ。(渡辺史敏=ニューヨーク通信員)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る