【コラム】海外通信員

サンパオリ監督の憂鬱 アグエロの復帰は!?

アルゼンチン代表のホルヘ・サンパオリ監督
Photo By AP

 ワールドカップを2ヶ月後に控え、アルゼンチン代表のホルヘ・サンパオリ監督は安心できない状態にある。最終メンバーとなる23人のリスト入りがほぼ決定と考えられていたものの、エマヌエル・ママーナのように怪我のため欠場が明らかになっている選手や、フェルナンド・ガゴのように回復後のコンディション調整が間に合うかどうかが疑わしい選手、マルコス・ロホやラミーロ・フネス・モリ、エドゥアルド・サルビオのように、すでにピッチに復帰するもまだ本調子ではない選手がいることが理由だが、去る4月17日、監督をさらに憂鬱にさせるニュースが飛び込んできた。セルヒオ・アグエロが左膝の関節鏡視下手術を行ない、3週間から4週間の療養が必要となったのだ。

 アルゼンチンのメディアによると、手術といっても時間にして15分間の軽い「治療」で、関節内の洗浄を行ない、アグエロが1ヶ月ほど前から感じていた痛みの原因を取り除いただけのものだという。執刀医はスペインのラモン・クガ医師で、アグエロが所属するマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督も絶大な信頼を寄せる名医。2週間はスペインに留まって療養を続け、その間、アルゼンチン代表のダニエル・マルティネス医師が付き添って回復具合をチェックする。回復が順調なら、5月18日からアルゼンチン国内でスタートする代表キャンプには十分間に合うと考えられている。

 サンパオリ監督の構想において、アグエロはW杯での先発メンバーだ。最先端で文字通り9番として、又はリオネル・メッシと組む2トップの傍らとして、予選を通して大きな課題となってきたFW陣の得点不足を、大会までの1ヶ月のキャンプで克服する重要な役割を果たすことになっている。そのためには事前キャンプの間に完全復帰を遂げることが必須条件となるが、ここでどうしても我々の脳裏に浮かぶのは4年前のブラジルW杯での前例だ。アグエロは前回も筋肉系の負傷から大会開幕直前に復帰したが、GL最終戦となったナイジェリアとの試合で右大腿二頭筋を痛め、その後2試合で欠場。準決勝のオランダ戦と決勝のドイツ戦では途中から交代出場したが、本来のコンディションからはかけ離れたレベルに甘んじてしまったのである。

 グアルディオラの指導からストライカーとしての実力が一段と洗練され、メッシとのコンビネーションも抜群なアグエロは、ロシアでアルゼンチン躍進の鍵を握る存在と期待されていたが、直前の手術が吉と出るか凶と出るかは現時点では全くわからない。はっきりしているのは、未だにチームの仕上がり具合が中途半端なアルゼンチン代表にとって、選手全員が万全なコンディションで事前キャンプをスタートさせることができるかどうか定かではない状況が、サンパオリ監督を悩ませているということだ。

 チャンピオンズリーグにおけるバルセロナのまさかの早期敗退は、アルゼンチン国内で「考え方によっては朗報」と受け留められた。右足の痛みを訴え続けるメッシにこれ以上負担をかけることなく、事前キャンプまでに調整に集中してもらうことができるからだ。アグエロが関節鏡視下手術を行ない、痛みを引きずったままのメッシを擁するバルセロナがチャンピオンズリーグの決勝に進出していたら、サンパオリ監督は気が気ではなかっただろう。

 では、もしW杯開幕までにアグエロがコンディションを回復できなかった場合、サンパオリ監督は初戦で誰を先発起用するだろうか。アルゼンチンの大方のメディアは、ゴンサロ・イグアインが最も有力な代役と見ている。インテルで絶好調のマウロ・イカルディはサンパオリ監督のお気に入りだが、これまでの親善試合で結果を出せず、チーム全体を納得させることができなかったため、よほどのことがない限りロシア行きのメンバーに選ばれることはないと考えられている。ちなみに代表チームの番記者によると、サンパオリ自身はアグエロの回復が間に合うことを信じて疑っていないらしい。とにかく主力選手たちが本番までに完全復帰してくれることを祈るばかりである。(藤坂ガルシア千鶴=ブエノスアイレス通信員)

[ 2018年4月20日 14:00 ]

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