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藤森号泣…スタート直前に無念の棄権決断

[ 2010年2月18日 06:00 ]

女子スノーボードクロスのレースを棄権した藤森由香

 スノーボードクロス女子の藤森由香(23=アルビレックス新潟)が16日、サイプレスマウンテンで行われたレースを直前で棄権した。

 12日の練習で転倒し、頭部を強打して一晩入院。精密検査では異常はなかったが、この日の公式練習で2本滑った後にめまいがひどくなり、尻もちをついた。青ざめた表情で気丈に親指を立て、萩原文和監督に「緊張はしているけど、どこも悪くない」と泣きながら出場を直訴したものの、実際には目の焦点が定まらない状態。転倒の危険が伴う競技だけに、日本選手団の渡辺耕太ドクターは「短いスパンで頭を打つことはリスクが大きすぎる」と、藤森とスタート地点まで上がって棄権を最終決定した。藤森が8番手で登場する予定だった予選は既に始まっていた。
 トリノ五輪で7位入賞し、昨年9月のW杯では5位。同12月に練習で転倒し、全治1カ月の腰椎(ようつい)骨折を負いながら本番へこぎつけた。「やっぱりあきらめられなくて、意識だけはしっかりした滑りをしようと思ったけど…。悔しかったんですけど、正しい決断だったと思います」。藤森は大きな瞳に涙をため、左手で口を押さえておえつをこらえた。

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2010年2月18日のニュース