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国母 最後までスタイル、思いを曲げず「悔いはない」

[ 2010年2月18日 14:08 ]

男子ハーフパイプ決勝1回目で転倒した国母和宏

国母も青野もメダルには遠かった…

 「決まらなかったら、どうしようもない」。国母が勝負をかけた“必殺技”「ダブルコーク」。高く、そして美しく決まったかに見えたが、着地という最大のポイントをクリアすることができなかった。
 それでも悔いはない。トリノに続き金メダルを獲ったショーン・ホワイト(米国)が、一番ライバル視した「カズヒロ」は「自分の滑りのスタイルは出せた」と、前を向いた。 “腰パン”問題だけでなく「五輪でメダルを取って人生を変えようとは思わない。自分にとって五輪は一部であって、全部でない」といった発言に眉をひそめる人も少なくはなかった。それでも「スタイル、思いを最後まで曲げなかったのはいいことだと思っている」(国母)。自分にウソをつかず、“オレ流”を貫いたことへには満足している様子だった。
 国母の出場を決断した、橋本聖子日本選手団は「すごく期待していた。(国母に対して)なんて声をかけていいかわからなかった」と肩を落としたが、「よくやってくれた」というねぎらいの言葉を忘れなかった。その上で「五輪では競技力だけが求められているのではないことをわかってほしい」と話した。
 「いろいろあったけど、最後まで応援してくれた人には感謝している」。21歳の青年は、周囲が思うほど非常識でもなければ、失礼でもない、自分に正直な男だった。

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2010年2月18日のニュース