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条治、センバツ出場の母校ナインに勇気のメダル

[ 2010年2月17日 06:00 ]

 加藤の母校、県立山形中央高(山形市)では生徒約600人と教職員が体育館に集まり、銅メダルが決まると「ジョージ、ジョージ」の大合唱がわき起こった。1月29日には野球部が春のセンバツに21世紀枠で初出場を決めた。同部2年の奈良崎匡伸主将は何度もガッツポーズし「同じ高校出身の先輩がメダリストになり、凄く誇りに思います。加藤選手のメダルの勢いで、自分たちも甲子園で優勝を目指したい」とまくし立てた。

 当初は、体育科の1、2年生だけが集まっていた。だが、バンクーバーでは整氷車の故障でスタート時間が遅れ、授業中だった普通科の生徒がそわそわし始めたことから、急きょ、全校応援に切り替えた。
 「ガンバレ 加藤条治選手」と書かれたのぼり約10本が並ぶ中、野球部員32人が音頭を取り「行け行け、加藤先輩」と大声援。スクールカラーの青と紫のメガホンを手に、大型スクリーンに映し出されるヒーローを見守った。
 梶原賢校長(60)は「授業に集中できないし、先輩の大舞台での戦いから学ぶこともあると考え、全校応援を決めた」と説明。加藤もカナダ出発前、後輩たちの甲子園出場決定を励みにしていたようで、「五輪後に野球部に何か差し入れたい」と伝えていたという。梶原校長も「今回のメダルが何よりの差し入れ。センバツに向けて凄い追い風になります」と興奮気味だ。
 野球部は最終調整のため19日から9日間の岐阜遠征に出発する。庄司秀幸監督(33)は「センバツ出場が決まった時、加藤選手は“五輪に向けて凄く励みになる”と話してくれたが、今度は私たちが力をもらいました。感動のある滑りを見せてもらったので、私たちもいい調整をして、甲子園で多くの方に感動してもらえる野球をしたい」と誓った。

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2010年2月17日のニュース