「鎌倉殿の13人」草笛光子 三谷幸喜氏は「魔法おじさん」比企尼「あぁ?」は「真田丸」おばばオマージュ

[ 2022年6月26日 06:00 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第24話。鎌倉御所・源頼朝の居室。比企尼(草笛光子)に叱責される頼朝(大泉洋)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は19日、第24話が放送され、源頼朝が乳母・比企尼に叱責された。比企尼役を好演している女優の草笛光子(88)は脚本の三谷幸喜氏(60)を「魔法おじさん」と称えた。

 <※以下、ネタバレ有>

 大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第24話は「変わらぬ人」。源頼朝(大泉洋)と万寿(金子大地)が「富士の巻狩り」を終えて無事に戻り、喜ぶ政子(小池栄子)。しかし、頼朝は自身に代わって鎌倉殿の座に就こうとした弟・範頼(迫田孝也)を許さず、余波が鎌倉を揺るがしていた…という展開。

 範頼は起請文を書き、身の潔白を訴えたが、頼朝は厳しく詮議。さらに大江広元(栗原英雄)が起請文の文面に難癖をつけ、範頼は「もう結構にございます」と自ら身を引いた。そこへ比企尼が現れ、頼朝を叱責。範頼は死罪を免れ、伊豆・修善寺に幽閉、謹慎となった。

 比企尼「お久しゅうございます。蒲殿のこと、どうなさるおつもりですか。一門だと情をかけたら、誰も付いてきませんよ。見せしめに、顔に焼き印を付け、目玉をくり抜くんです!」

 頼朝「そこまでせずとも」

 比企尼「あぁ?(と聞き直す)」

 頼朝「血を分けた弟でございます」

 比企尼「そう、あなたの弟でした。忘れてるのかと思いました」

 政子(小池栄子)「蒲殿は謀反を起こすような方ではありません」

 頼朝「疑われるようなことをした。それだけで罪なのじゃ!」

 比企尼「お立場は人間を変えますね。優しい子でした。私が差し上げたかわいらしい観音様を、あなたはご自分の髪の中にしまわれて。尼の思いは片時も忘れませぬと。あの時のあなたは、どこ行ってしまわれた」

 頼朝「観音様は捨て申した。挙兵の時、源氏の棟梁として、甘く見られてはならぬと。こうやって私は命をつないできたのです!」

 比企尼「(頼朝の頬を叩く)」

 頼朝「お見送りを」

 番組公式ツイッターに公開された草笛の「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」(2分13秒)は以下の通り。

 ▼源頼朝とのシーン「それはもう愛情はたっぷり。(大泉とは)『真田丸』からやっていますから、気心が知れているから。これが逆に馴染みすぎるといけないなという気持ちもあってやりました」(「真田丸」は大泉が主人公・真田信繁の兄・信幸役、草笛が兄弟の祖母・とり役)

 ▼比企尼を演じて「引っ叩くのと“あぁ?”と言ったりするのは、あれ、みんな『真田丸』のおばばなんですよ。『これ、やっていいのかな?』と言ったら、そういうことは三谷さんはちゃんとお客さまのことを考えて書いていらっしゃるわけ。私は『真田丸』の(信幸の話が聞こえず)“あぁ?”というのを使っていんですかと言ったら、お客さんへのサービスだっておっしゃって。そこが凄いですよね、あのお方。そういうことをやっても嫌味とか、しつこいなとか、そんなふうに全然思わない。それと、あり得ないことをさせられる。『真田丸』も死ぬ時、あんな死に方…死んだかと思ったら、死ななかったり(笑)。今度もおっかないんですよ、どういう死に方をさせてくださるか。でも、こんなあり得ないということを三谷さんってお書きになる。私はやっぱり演じる方としては“こんなこと、あり得ない”“この世では、あり得ない”と思いながらやっちゃうと、それが通るんですよね。お客さんはそれが面白く思ってくださったり、“ハハッ(笑)”と思ってくださる。これが三谷さんの凄いところだと思う。あり得ないことを役者が苦心して、それを通り越す。それを見ていらっしゃるお客さんが心地よくなるとか、楽しいとか、そこへ持っていけちゃう魔法にかかっているんですよ。やっている方も。“こんなこと、あり得ないわ”と思ってやっているんだけど、いざやってみて、それが出ると“そういうことがあり得るんだな”って。ここがやっぱりあの方の凄いところですね。魔法、魔法おじさん。私、魔法おばば(笑)。

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