関本賢太郎氏 阪神・村上が効果的に使った「1割のカーブ」 打者に意識させ、ストライクを取る幅を広げた

[ 2024年4月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-0広島 ( 2024年4月9日    甲子園 )

<神・広>先発した村上(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 【関本賢太郎氏 視点】阪神・村上にとって大きい場面が2度あった。2回1死一、二塁で坂倉に対して2ボールとカウントを苦しくしたところで、カットボールで二ゴロ併殺に切り抜けた投球。そして4回先頭の矢野に7球連続ファウルで粘られながら、11球目の104キロカーブで見逃し三振を取ったことだ。

 坂本とのバッテリーでカーブを効果的に使った。109球中、投げたカーブは11球。全体の1割程度だが、打者に「カーブもある」と意識付け、ストライクを取る幅を広げた。見ていてイメージしたのはドジャース・山本由伸のカーブの使い方だった。韓国での初登板でKOされた右腕がメジャーで勝つための糸口にカーブを使った。これが村上にも参考になった可能性はあると思う。

 セ・リーグMVPに輝いた昨年、村上の特長は直球、カットボールを中心にした外角の出し入れだった。この日はカーブで緩急も使ったことが、無失点での今季初勝利につながった。防御率1・75だった昨年の投球を再現しようとすると自分の投球が苦しくなる。切り替えて、今の調子の中でいかにアジャストするか。その意味でも甲子園開幕で1点差を死守できた意味は大きい。

 打席でも5回無死一塁で初球に犠打を決めたことが近本の先制打につながった。野球の神様はミスを嫌うもの。ミスなく一発で決めたからこそ、得点を呼び込めた。(スポニチ本紙評論家)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月10日のニュース