阪神・近本 世紀のキャッチ&V撃で100周年甲子園初陣飾る!岡田監督も絶賛「近本のプレー大きかった」

[ 2024年4月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-0広島 ( 2024年4月9日    甲子園 )

<神・広>初回、野間の打球を好捕する近本(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は9日、甲子園開幕戦となった広島戦に1―0で勝利し、勝率を5割に戻した。0―0で迎えた5回1死二塁から近本光司外野手(29)が相手先発の床田から右翼への適時打を放ち、この1点が決勝点となった。初回の守備では先頭・野間の飛球を好捕。同郷・兵庫県淡路島出身で先発の村上頌樹投手(25)を援護した。淡路島コンビの活躍で、チームは甲子園球場100周年のメモリアルイヤーの初戦を白星で飾った。

 体を張ったビッグプレーが勝利の女神を呼び寄せた。試合開始時点で気温12度、風速7メートル。冷たい風が吹いた甲子園開幕戦の初回に、いきなり近本が聖地のボルテージを引き上げた。

 「村上に対しては、それ(好捕)が大きかったかなと思う」

 先頭・野間が放った浅い左中間寄りの飛球に猛チャージをかけた。スライディングキャッチを試みながらも前夜の雨の影響で外野の芝生は湿っていた。好天時とは異なる芝に足を取られ右膝を強打。体のバランスを崩し、最後は転倒しながらも打球は落とさなかった。前回2日のDeNA戦(京セラドーム)では初回に4失点し、この夜も立ち上がりが不安視された先発・村上を好捕で救った。

 「近本のプレーは本当に大きかった」

 岡田監督も大絶賛の好プレーだった。同郷、淡路島の後輩を中盤にはバットで援護。「甘いところきたらとにかく打とうと思っていた。自分のスイングをできるかどうかと思っていた」。0―0で迎えた5回1死二塁。広島・床田の初球だ。高めの直球を強振した一打は右翼線で弾み、二走・木浪を悠々と本塁へ迎え入れた。

 昨季、床田には苦戦していた。対戦成績は11打数2安打で打率・182と低迷。その天敵左腕に進化した姿を印象づけた。貴重な先制打は結果的には決勝打となった。村上が投げれば近本が打つ――。昨季の村上登板時は打率・304で、3度の決勝打を記録。その得点パターンが今季も早々に決まった。

 「去年の最初の方も、それ(村上を援護する一打)を打っていましたけど、今年もいけるところまでは(いきたい)」

 8日時点でチームは4勝5敗と波に乗り切れていなかった。実は試合前、淡路島コンビは改めて結束を固めて、甲子園開幕戦に臨んでいた。「ロッカーで、そろそろお立ち台に2人で立とうかという話をしていた」。まさに有言実行の活躍ぶりだった。4万2601人の大観衆が見守る中で躍動。100周年のメモリアルイヤー幕開けとなる初陣で、虎の頼れるリードオフマンが今季の本拠地初勝利へとけん引した。(石崎 祥平)

 【データ】阪神が2年ぶりの甲子園開幕戦勝利。無失点勝利は22年の4―0以来だが、1―0は52年のフランチャイズ制以降では59年、64年のシーズン開幕戦に続く60年ぶり3度目で、過去2度も広島戦。広島とは98年から02、09、11、16、18、24年の7連勝と相性がいい。近年の甲子園開幕戦を見ると、昨季こそ敗れたものの、18~22年は5連勝。21世紀の01年以降では17勝6敗1分けの勝率・739と、シーズン開幕戦の勝率・565(13勝10敗1分け)を大きく上回る。なお10、11日も勝って、甲子園開幕カード3連戦全勝なら、85年以来39年ぶりになる。

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