山本由伸に収穫と課題 開幕前OP戦最終登板は4回2/3、4失点「感覚的には凄くいいところもあった」

[ 2024年3月15日 01:30 ]

オープン戦   ドジャース1-8マリナーズ ( 2024年3月13日    グレンデール )

4回、マウンドに集まり話する山本らナイン (撮影・白鳥 佳樹)
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 開幕前の最終登板でも、いくつかの課題が出た。ドジャースの山本由伸投手(25)が13日(日本時間14日)、マリナーズとのオープン戦に先発。21日のパドレスとの開幕第2戦の先発が決まっている右腕は4回2/3を8安打4失点で最速96マイル(約154キロ)だった。

 「甘いところに行ったのをしっかり捉えられた。4失点なので投球としてはよくない」

 初回は3者三振と抜群の立ち上がりで、3回までわずか1安打。だが4回は4連打、5回も3本の長短打でともに2点を失った。相手打者の目が慣れる2、3巡目に狙い球を絞り込まれて敗戦投手に。グラブを腹の前に置く新たなセットポジションも試したが、4回はピッチクロック違反が失点にもつながり「ちょっと長く持ちすぎた」と反省した。

 収穫もある。独特の大きな弧を描くカーブで計7三振を奪い、マーク・プライアー投手コーチは「全体的にはいい球を投げていた」と評価する。「課題を持って投げようとし、カウントを悪くした。制球は少し乱れていた」と指摘したが「今の彼は環境が変わり、適応しなければならないことがたくさんあるというだけ」と調整途上を強調。ただ、前回6日のホワイトソックス戦も3回5失点と打ち込まれているだけに、不安要素を抱えたまま本番に向かうことになる。

 これまでデーブ・ロバーツ監督から開幕第2戦の先発を直接通達されていない山本は、5回途中の降板時に指揮官から「来週の韓国での2戦目に向けてやるだけだ」と声をかけられたことも明かし「感覚的には凄くいいところもあった。試合感覚もどんどん出てきている」と前を向く。不安を拭うことはできなかったが、決戦の地・韓国でメジャー1年目をスタートさせる。(杉浦大介通信員)


 ≪選手で通算42勝も指導者で実績多数≫ プライアー投手コーチは01年ドラフト1巡目(全体2番目)でカブス入り。100マイル近い速球と制球力で03年は18勝6敗、防御率2.43の成績を残したが、04年以降は故障に苦しみ、活躍は短期間で通算42勝に終わった。13年に引退後は指導者を目指し、順調に実績を積んで20年から現職。22年は大谷のエンゼルス時代の同僚でもあった左腕ヒーニーを再生させ、自己最高の防御率に導くなど名門チームを支える理論家だ。故障との向き合い方、エースの重圧も知り尽くしており、山本にとっても心強い存在となりそうだ。

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