【落合×鈴木啓示対談】雑草魂ではなく草魂にした理由「本当に自分の造語やねん」

[ 2024年3月15日 18:15 ]

鈴木啓示氏(右)とオレ流チャンネル「博満の部屋」で対談した落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(70)が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第6回目として、歴代4位の通算317勝を挙げた元近鉄投手・鈴木啓示氏(76=本紙評論家)をゲストに招いて対談を行った。

 落合氏は「鈴木さんと言えば草魂ですよね」と振ると、鈴木氏は「早く結婚ちゃうで」と早婚にかけてひとボケ。落合氏が「え?」とあっけにとられていると、「人生訓はそれやけど、グラウンド訓は走る魂やで」と説明した。すると、落合氏は「字が違うんですね」と納得した様子でうなずいた。

 落合氏が「それはどこからきたんですか?」と質問すると、鈴木氏は「自分のバカな頭で考えたんや。同じソウコンやし、悪くないわと思って」と説明。「ソウコンというのはプロに入って3年目か4年目くらいに家を建てたわけや。それが雑木林やったんや。ブル(ドーザー)でばーっと造成して。土の上やったら雨が降ったらびちょびちょになってしまうということでアスファルトにしたわけや。坂道を車で上がっていったらタイヤも何も汚れへんわけや。アスファルトにしてこれで大丈夫や思ってしとんのに、昔雑木林やったもんやから雑草の根が残っとったんやろね。1年ほどしたらアスファルトを割って出てきて、雑草が生えてきとんのやんか」と続けた。

 その雑草から着想を得たようで「これ、きれいなチューリップの球根だとか、菊の花やとか何か言うたらコンクリート割ってまで出てこうへんなと。やっぱり雑草って強いもんやなと。“よし、俺もこの気持ちを自分で活かそう。踏まれても踏まれてもはい上がるで”という気持ちで活かしたわけや。だから本当に自分の造語やねん」と草魂の由来を説明した。さらに「上原(浩治)くんが雑草魂かなんかでやっとるらしいな。はじめは雑草魂にしようかと思ったけど、人にわかってもらうことないから、字数も多いし、“雑”を取って草魂でええやということで二文字にしたわけや」と続けた。

 落合氏が「ソウコンは2つあるわけですね」と聞くと、鈴木氏は「グラウンドでは走魂。人生訓としたら草魂やね。雑草魂やない。草魂や」と誇らしげに語った。

 また、落合氏が「(1985年に)流行語にもなった“投げたらあかん”っていうのは?」と質問。鈴木氏は「投げたらあかん言うといてな、監督しとって自分でシーズン中辞めてしもたりな」と自虐的に振り返りつつ「極端に言うたら諦めたらいかん、いうことや。最後まで粘り強くやれ、いうことや。草魂と一緒や」と説明した。

 鈴木氏は近鉄の球団連勝記録は1994年にマークした13連勝だったデータを紹介。「俺が監督の2年目の時にやっている。そんなん知らんかったけどね。俺が何も言わんと“それ行け、それ行け”言うとる方がよかったらしい」と笑い交じりに話した。落合氏が「監督は3年間ですよね?一番楽しかったことっていうのは何かあります?」と聞くと、鈴木氏は「いや、楽しかったことはない。監督でどっちかと言うたらイメージもダメになってしもうたし。人を使うっていうのは難しいなと思った。人を動かすっていうのはね」と振り返った。鈴木氏が「落合さんさんなんか立派やんか。上手いこと動かしてるやん。柔らかくモノ言うて。半分冗談かなと思ったら本気やもんな」と振ると、落合氏は「冗談言わないですもん」と笑っていた。

 落合氏は「監督辞めてから監督のオファーはありました?」と質問すると、鈴木氏は「ない、ない。せやから、俺は失敗監督やから2度とないわ。また、したいとは思わない。草魂とか投げたらあかんという気持ちを持っとんのやったら“よし、今度は監督でやったろか”という気持ちで勉強するんやろうけどね。自分のことは自分で何とかできんねん。人を使うっちゅうのは難しいな」と振り返った。落合氏はさらに「どっちかというと、人に任せるっていうようなことではないですね」と言うと、鈴木氏は「任せる度量がないな」と話した。

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