ソフトB・甲斐「常にもっと新しい自分を見つけていかないと」「とにかく優勝したい」インタビューで決意

[ 2024年2月27日 05:25 ]

<ソフトバンク甲斐インタビュー>色紙に「判断、勇気、決断」と書き込んだ甲斐
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 ソフトバンクの甲斐拓也捕手(31)が本紙のインタビューに応じ、新たな境地を目指す2024年シーズンへの思いを口にした。扇の要として責任を一身に背負い苦しむことも多かったが、今年のテーマは捕手を楽しみ、そして勝つ。背番号19を継承し、師と仰ぐ故・野村克也氏の言葉を胸に、23年WBCでチームメートだったドジャース・大谷にも感じた“究極”かつ“最強”の要素を取り入れ、4年ぶりのV奪回へ全力を注いでいく。 

(取材・構成=木下 大一)

 ――キャンプも打ち上げて実戦スタート。現在の状態は。
 「物凄くいい感じに来ていると思ってます。ここ何年かで、一番いいと思える体の状態だと思う。充実感はあります」

 ――昨季は春先のWBCから始まり調整面での難しさもあった。
 「調整が早くなることだったりは、もともと分かっていたことなので。そこは今考えれば、いい経験になったと思ってます」

 ――秋季キャンプも免除で、このオフは秋からケアなども含めて、じっくりと自分の体と向き合い取り組めた。
 「ありがたいことにジャパンに呼ばれることもあったりで、初めて今回のような時間ができた。自分の時間を過ごせたかなと思います。動きやバットを振っていても凄く良く感じています」

 ――11日は尊敬する野村克也さんの五回忌だった。今年は野村さんから贈られた言葉「野球に学び、野球を楽しむ」がテーマ。
 「30歳も過ぎていいものも悪いものも経験してきましたが、野球自体が時代で変わってきている。学ぶことに関しては、常にもっと新しい自分を見つけていかないと駄目なんだと思っています」

 ――楽しむことについては。
 「3年間、優勝できていないことは重く受け止めないといけないと思っていますが、一人で背負い込んで考えすぎてしまい、その分苦しいこともありました。ただ、WBCで大谷君だったりが野球をやっている姿を見ると、もちろんあれだけの凄い選手ですけど、誰よりも凄い期待を背負いながら、それでも楽しんでやっていたんですよね。野村さんの言葉につながっているなと。それが究極だとも思います。野球だけに限らず仕事を楽しんでやっている人って最強なんだなって」

 ――何かと責任を背負うことも多いポジション。どう楽しむことを目指していくか。
 「野村さんの言葉で“キャッチャーは脚本家”というものもありますけど、捕手自体の楽しさがあるんだろうなと思うんです。それを僕が結果を含めて、きついポジションだなと思ってしまうと駄目だなと。捕手そのものを楽しめるようにとテーマにおいています」

 ――キャンプでは谷川原、海野が猛アピール。下からの突き上げはどう感じているか。
 「一つしかないポジション。争っていくしかない。ただ、今年始まったことではないので。去年も嶺井さんが来た。それ以前だって、自分はずっと安心してやってきたわけはない。常に危機感を持っているし、そこは自分のやることをやるだけだと思ってますね」

 ――最後に今年の目標を。6年連続で途絶えたゴールデングラブ賞奪回の思いは。
 「そこ(表彰)は付いてくるものだし何とも思ってないですね。やっぱり優勝しないと駄目だし、勝たないといけないチーム。それに勝って評価されるポジションだと思ってます。とにかく優勝したいですね」

 ◇甲斐 拓也(かい・たくや)1992年(平4)11月5日生まれ、大分県出身の31歳。中学時代は内野手で、楊志館で捕手に転向。甲子園出場なし。10年育成ドラフト6位で入団し、13年11月に支配下登録された。レギュラーをつかんだ17年にベストナイン、ゴールデングラブ賞。18年には日本シリーズMVPに輝いた。21年東京五輪の金メダル、23年WBC世界一にも貢献。1メートル70、87キロ。右投げ右打ち。

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