DeNAドラ1・度会を田淵幸一氏が絶賛「3割15本塁打いける!」「癖がなく、まさにナチュラル」

[ 2024年2月27日 05:30 ]

度会の打撃連続写真
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 DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21=ENEOS)が、順調に25日までのキャンプを打ち上げた。実戦8試合で21打数8安打、打率.381をマーク。確実性かつ長打力も秘めた打撃の秘密はどこにあるのか。元阪神、西武で通算474本塁打の田淵幸一氏(77=本紙評論家)が連続写真を分析。「癖がなく、まさにナチュラル」と絶賛した。

 ひと目見て「なるほど。合格だ」と思った。変な癖がなく、基本に忠実でナチュラルな打撃フォーム。欠点はどこにも見当たらない。

 <1>の構え。歩幅も広すぎず、非常にリラックスした感じだ。グリップの位置もいい。これが高すぎるとインパクトまでに距離ができてしまう。基本は肩の横のライン。雨が降って傘を差す時の手の位置が理想だ。<2>以降はバットの先端が投手側に入っているように見える。写真の角度の問題かもしれないが、例えばこれは阪神・近本らと同じ。あくまで個人のタイミングの取り方で、その後にきっちりと元に戻しているから問題はない。

 <3>にかけて、ふくらはぎの筋肉を見ても分かるように左足にしっかり体重が乗っている。軸足にグッと体重を乗せることで「1、2、3」ではなく「1、2の3」と間ができる。プロの変化球を見極めるためには、この「の」が重要といえる。

(巧打者×長距離打者/) そして<5>、<6>。上体が投手側に突っ込むことなく、頭の位置が全く動いていない。これもボールを見極めるために大切な要素だ。<5>では右肘がグッと引かれ、矢を放つ前の弓のようになっている。そして<8>のインパクトで腕が伸びてボールを捉える。<9>、<10>でのフォロースルーも大きいから、確実性がありながらも打球が飛ぶ。巧打者にして長距離打者。2つをハイブリッドした雰囲気を持っていると感じた。

 この写真でいえば、打撃は<6>までが勝負。<7>以降は<6>までの動きに連動してフィニッシュに向かう。その<6>にかけては右肩が開かずにグッと我慢している。これなら逆方向に強い打球を打てるだろう。高い打率を残すための条件ともいえる。ボールの見極めができることで三振も少ないはず。今季は打率.290から.300、15本塁打は軽くマークするのではないか。

 度会がルーキーとしてプロの世界で大切になるのは「左投手のスライダーへの対応」「内角の速いボールをファウルできるか」の2点。ここをクリアして、1番打者として定着すればDeNA打線の攻撃力は大きくアップするだろう。(スポニチ本紙評論家)

 ≪度会 正尚の打撃を見て勉強「体全体を使って、下半身の回転を意識」≫DeNAの度会は自身の打撃フォームについて「吉田正尚選手(レッドソックス)だったり、そういう方の打撃を見て、勉強させてもらっている」と言った。体重83キロでまだ細身だが飛距離も出る。「低めでも高めでも、球の下っつらを捉えてうまくスピンをかける」と自己分析する。

 沖縄キャンプ最終日だった25日の楽天とのオープン戦。5回にドラフト1位左腕・古謝の内角高め直球を右前打。体を開かずに素早く腰を回転させた。「元々インコースは得意。インハイのさばきは意識している。高めのボール球でも自分が打てると思えば、そこは打ちにいく」と言う。意識していることは「体全体を使って、下半身の回転を意識して打つこと」。フリー打撃ではバックスクリーン直撃弾も披露するなど、高い適応能力を見せてきた。

 開幕に向けてこれからオープン戦が本格化。「今後は、どんな攻められ方をされても、しっかり打てるようにしたい」と実戦で磨きをかけていく。(大木 穂高)

 ≪3・5ロッテ戦で本拠初陣へ≫DeNAは25日に沖縄・宜野湾キャンプを打ち上げて帰京。この日は完全オフだった。27日から全体練習を再開し、3月2日のソフトバンク戦(北九州)から本格的にオープン戦がスタート。度会にとっては同5日のロッテ戦(横浜)が本拠地デビューとなる予定だ。オープン戦は残り17試合。球団では09年の松本啓二朗以来15年ぶりの新人開幕1番へ向けて、アピールを続けることになる。

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