ソフトB 育成ドラ3・佐倉「インパクト命」“王イズム”で打撃磨く

[ 2024年2月27日 05:25 ]

シート打撃で打席に立つ佐倉(撮影・杉浦 友樹)
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 王イズムを吸収した――。ソフトバンクの育成ドラフト3位・高校通算31発の佐倉侠史朗内野手(18=九州国際大付)はファーム施設があるC組でキャンプを過ごしている。今月12日にはタマスタ筑後を視察に訪れた王貞治球団会長(83)に“どうしたら868本塁打、打てるのか?”と質問。授かった金言を胸にバットを振る。また、今週から小久保ホークス1期生8人の育成新人選手たちの横顔を取り上げる。

 スラッガーとして胸が高鳴った。佐倉は斉藤和巳4軍監督に連れられ、タマスタ筑後を訪れた王会長にあいさつした。高校では1年時から、のちにチームメートとなる前田悠(大阪桐蔭)らと“高校四天王”と呼ばれた男はストレートにぶつけた。

 「どうやったら800本打てるんですか」

 王会長は現役時代、世界記録となる通算868本の本塁打を放った。佐倉は会長の訪問を聞かされたときから、打撃について質問しようとずっと思っていたという。「(会長は)インパクト命って言われて。ミートを丁寧にすることと、筋力、振る力をつけるのは素振りが大事だから」と金言を授かった。「素振りが基本と自分も思っているので。それができなければ、打てないんだな、っていうのはもう一度、確認できました。入ってすぐの状態で聞けたことがよかったと思います」と感謝しきりだった。

 佐倉の最大の魅力はバッティングだが、「(チームには)凄いバッターがたくさんいるので、いいところをしっかりまねして、積極的に質問して、全部自分のためになることができたらなと思います」と貪欲だ。中でも1月にファーム施設であいさつをした西武からFAで加入した山川の打撃理論はYouTubeで見て勉強してきた。特に中堅方向に強い打球を意識すること、ボールに対してバットの入れ方などを参考にして素振りから実践している。「木製の打ち方が少しずつ上がってきたのかなというのはある。まだまだ足りないところがいっぱいあるので、聞いてみたいなって思います」と“弟子入り”を狙っている。

 見守る斉藤4軍監督は「あそこまでバットを振れるのは、もともと持っている彼の能力ですから」とスイング力を評価する。「あとはいいキャラクターをしている。非常に楽しみですよ」とも言った。キャンプ休養日の新人体験で、収穫したいちごのあまおうを「ほぼ、ジュースです」とぺろりと平らげるなど、ムードメーカーな一面を持っている。

 来月からは実戦も本格的に始まる。直球だけでなく、プロの変化球にも対応しなければいけない。佐倉は「しっかり場数を踏んで結果を残さなければいけない」と気を引き締める。小学校からのホークスファンが憧れのユニホームを着た。「3年目に支配下になって、5年目で1軍に絶対に上がってレギュラーを獲ってというのはイメージしています」と未来予想図を描いた。
(杉浦 友樹)

 《三塁にも挑戦中》○…佐倉は高校時代は一塁が定位置だったが、シート打撃などで三塁を守る姿がある。「新鮮さがあって動きやすい。楽しく元気にやらせてもらっています」と新しい景色に挑んでいる。「自分の可能性を広げるため、いろいろなことをしたいですし、1年目なので伸び伸びとやって、まだまだ可能性が広げられると思う」と積極的だった。

 ◇佐倉 侠史朗(さくら・きょうしろう)2005年(平17)11月3日生まれ、福岡県出身の18歳。小1から野球を始め、宮ノ陣中では球道ベースボールクラブに所属。九州国際大付では1年春からベンチ入りし、同秋から4番。高校通算は31本塁打。背番号129。1メートル83、105キロ。右投げ左打ち。

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