広島・デビッドソン、「まだ5%」の状態で130メートル弾 規格外パワーに他球団007警戒

[ 2023年2月2日 05:00 ]

ランチ特打で快音を響かせるデビッドソン
Photo By 代表撮影

 プロ野球は1日、西武を除く11球団が国内各地でキャンプインを迎えた。広島・新外国人のマット・デビッドソン内野手(31=前アスレチックス傘下3A)は宮崎・日南での春季キャンプ初日から自慢のパワーを見せつけた。初のフリー打撃では外野から内野方向への逆風の中、61スイングで5本の柵越え。状態については「まだ5%」と不敵な笑みを見せた新助っ人。早くも他球団の007が警戒感を示すなど、未知の潜在能力に期待は高まる。

 新助っ人のデビッドソンは逆風を物ともせず、鋭い打球を連発した。初のフリー打撃では61スイングで柵越えはわずか5本だった。それでも現在の状態を「(状態を)0から100でランク付けすると、まだ5%ほど」とキッパリ。左翼方向から右中間へ、広角に長打性の当たりを放ち、メジャー通算54発のパワーを見せつけた。

 「初日としてはいい感じで振れているかなというくらい。徐々に感覚、バランスを磨いていって、良い形にしていければ」

 末恐ろしい助っ人だ。春季キャンプ初日で状態は上昇への途上にあるとはいえ、推定130メートルの特大アーチを放つなど、能力の高さを示した。左足を高く上げる独特の打撃フォームから快音を響かせ、新井監督も「いい打ち方をしているんじゃないかな。パワーもある」と目を細めた。さらに、デビッドソンは長打力以外のアピールポイントを明かした。

 「変化球の対応はいい方だと思う。変化球も嫌ではない」

 特に新助っ人は日本人投手の精度が高い変化球に苦しむ傾向にあるが、早くも攻略へ自信をのぞかせる。そんな未知の能力に対して、他球団の007も警戒感を示した。中日・金子丈スコアラーは「パワーがあるのは間違いない。これからもっと見ていきたい」と徹底マークを公言。阪神・御子柴進スコアラーも「マクブルームよりもハンドリングが柔らかい。新井監督が戦力として獲った以上は我慢して使うと思うので、ずっと見ていきます」と警戒感を強めた。

 この日の守備練習では三塁のポジションに就き、軽快な動きも披露した。ハードなランニングメニューにも参加するなど、キャンプ初日から全体メニューをほぼすべて消化。現時点では三塁での起用が有力視される。「ゴロ捕(球)などで体の動きを確認して、日本の練習に早く慣れていこうという気持ちで取り組んでいる」。打撃だけではなく守備にも意識を置き、日本野球の適応へ余念がない。謙虚で真面目な性格も魅力の一つ。来日1年目から期待感は高まるばかりだ。(長谷川 凡記)

 ◇マット・デビッドソン 1991年3月26日生まれ、米カリフォルニア州出身の31歳。09年ドラフト1巡目追補(全体35位)でダイヤモンドバックス入団。13年8月11日メジャーデビュー。同年12月にホワイトソックス移籍。レッズなどを経て、昨季は古巣のダイヤモンドバックスとアスレチックスでプレー。メジャー通算311試合で打率.220、54本塁打、157打点。1メートル90、104キロ。右投げ右打ち。

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2023年2月2日のニュース