能見篤史氏 阪神新加入・大竹に期待「フォームの間が独特で打者は相当打ちにくい」

[ 2023年2月2日 08:00 ]

能見篤史氏(中央)は岡田監督(左)、今岡打撃コーチ(右)と談笑する (撮影・後藤 大輝) 
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 【能見篤史 視点】本紙評論家の能見篤史氏(43)が1日、阪神の沖縄・宜野座キャンプを訪問しブルペンで課題の先発左腕を即チェックした。目立った選手として昨年12月の現役ドラフトで新加入した大竹耕太郎投手(27=前ソフトバンク)を挙げるとともに、今季でプロ3年目の伊藤将司投手(26)も絶賛。愛弟子で先発再転向する岩貞祐太投手(31)には先発仕様の投球フォーム変更を課題として挙げた。(構成・遠藤 礼)

 評論家として初めてブルペンを見させてもらった。この日のテーマは「バランス」と「リズム」。そのポイントの下で各投手をチェックした。

 目を引いたのは、新加入の大竹投手。ソフトバンク時代から良い投手ということは分かっていた。初日の投球練習でも1球ごとの投球間隔が早くて、どんどん捕手に投げ込んでいた。それは投球フォームの再現性が高いということ。投球フォームの間が独特で、ボールはベース板の手前でグッと伸びてくる。打者は相当、打ちにくいだろうと想像する。適性は先発と見ていて、今回の移籍によって環境が変わることもプラスに働くのではないか。

 さらに素晴らしかったのが伊藤将投手。プロ1年目、2年目と1軍の先発ローテーションで回っていた。経験上、どうしても慣れなどによる“中だるみ”というものも出てくるが、さらに良くなっている。疲労もたまってくるはずだが、投球フォームのバランスも、投げるポイントも素晴らしい。コンパクトな投球フォームなだけに余分な動きがない。投げ方が崩れないし、改めてとても良い投手だと実感した。

 私が捕手の後ろに立って見ていたからだろう。背番号14の岩貞投手は明らかに力んでいた。先発再転向となれば、初球から思い切り投げる必要がないので、より理にかなった投球フォームが求められる。いかに無駄なくボールに力を伝えられるかが、長いイニングを投げられるかのカギだろう。中継ぎから先発に戻ることは想像以上に難しい。ただ、今オフに筋力アップをしながら柔軟性も失わないようにしている取り組みは必ず生きるはず。

 筋力がアップして、柔軟性が損なわれず使い方が変わらなければ必然的に出力は上がる。可動域も広がれば理にかなったフォームに近づくし、質の良いボールを継続的に投げることができる。無駄な力を省いた投げ方になれば、出力を上げなければいけないここぞのポイントに温存もできる。岩貞投手にとって春季キャンプは大事な1カ月になる。(本紙評論家)

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