桑原の叫び、「シオン、シオン!」の一体感…秋の吉報感じさせたDeNAキャンプ初日

[ 2023年2月2日 08:00 ]

<DeNAキャンプ初日>ノックを受ける(左から)戸柱、山本、松尾(撮影・島崎忠彦)
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 DeNA三浦監督3年目の沖縄・宜野湾キャンプが1日、始まった。フリー打撃は、桑原の「ハッピーニューイヤーっ!」の絶叫でスタート。まさにキャンプインは球春到来。プロ野球選手にとっての新年の幕開けだ。

 三浦政権就任初年度の21年は最下位。昨年のキャンプは「自分たちは浮上できるのか」と自問自答することから始まったと思う。元来明るさが売りのチームだが成績がともわなければ「明るくしている場合ではないだろう」なんて、外野の声も聞こえてくる。記者も昨年は「ノリはいいけど、シーズンは大丈夫なのか」の思いを抱き続けていた。

 だがシーズンでは2位に躍進。番長が「優勝」を意識して臨んでいるように、今キャンプは初日から「高まり」を感じる。ブルペン入りは22投手中16人。ランチ特打では高卒新人の松尾(大阪桐蔭)に加え、ソト、アンバギーの助っ人陣もバットを握った。

 印象的だったのは、捕手組の伊藤、戸柱、山本、松尾の4選手のノック。先輩陣が松尾を「シオン、シオン!」と18歳の名前・汐恩を親しみを込めて呼んでいた場面だ。開幕1軍入りを目指す松尾の高い壁となるはずの先輩たちが、愛情を注いで「ともに頑張ろう」という雰囲気をつくっているようで、心に響いた。

 少し前の時代まで、プロ野球選手同士が技術を教え合ったり、なれ合うことに疑問を唱える意見もあった。だがそれも時代が変わってきた。12球団で最も優勝から遠ざかり、25年ぶりの日本一をつかみ取りに行くチームは「まずは一体感を持って勝つ」ことが最優先される。

 桑原の「叫び」に沸き、捕手陣の一体感に期待を抱いたキャンプ初日。戦力は十分。この勢いで突っ走れば、きっと秋には吉報が待っているはずだ。
(記者コラム・大木穂高)

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