松坂大輔氏 オリックス・由伸よ、世界驚かせて 侍エースの向上心に感銘

[ 2023年2月2日 05:30 ]

オリックス・山本(右)と本紙評論家の松坂大輔氏
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 本紙評論家の松坂大輔氏(42)が1日、オリックスの宮崎キャンプを訪問し、エース・山本由伸投手(24)を“直撃”した。キャッチボールやブルペン投球に熱視線を送り、史上初の2年連続投手4冠など確固たる地位を築きながら、新たな取り組みに挑戦する姿勢を称賛。侍ジャパンのエース格として期待される3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けても熱いエールを送った。

 山本は一球ごとにステップを変え、丁寧かつ細かく体重移動をチェックした。右足に乗せた体重をいかにスムーズに左足に移し、ボールに力を加えるか。キャッチボールの姿を熱心に見守っていた松坂氏は「ほぼ完成している投手のイメージ。これだけの投手がまだ向上心を持ってやっているのが凄い。エースのそういう姿は他の投手にも刺激になります。オリックスはうらやましい」と話した。

 直後のインタビューで松坂氏は山本に狙いを聞いた。山本の答えは「今までのフォームをあまり大切にしすぎず、新しい感覚や本当に正しいものを求めています」。最大のポイントである体重移動は「スムーズにできていなかった部分、踏み込んでも自分としてブレーキをかけてしまっている動作があった。より自然に力を使わず、体重移動ができるよう練習しています」。この言葉に松坂氏は深くうなずいた。

 その後、山本は当初予定になかったブルペンへ。左足の上げ幅が小さくなり、クイックのように打者側へ体重を移動させるフォームは明らかに昨季とは違う。調整の過程ながら、WBC仕様のニュー山本。松坂氏は「今までよりさらに力感をなくして、今までと同じボールを投げる。そのためのスムーズな体重移動、効率のいい体の使い方を目指しているのだと思います。より効率よくボールに力を伝える」と分析した。

 エースはエースを知る。新たな取り組みを披露したキャンプ初日。松坂氏は「山本投手の表情を見ても、ここまで思うような調整ができているのでは」。WBC開幕まで1カ月強。松坂氏は06、09年と2大会連続でMVPに輝いており山本にも「ダルビッシュ、大谷投手と3人で投手陣を引っ張ってほしい」と侍ジャパンのエース級の活躍を期待する。

 山本はダルビッシュ、大谷と違って米球界でのプレー経験がなく、世界が「まだ見ぬ剛腕」。松坂氏は「驚くと思いますよ。投手としてはあまりサイズは大きくないですけど、あの体から放たれるボールには米国、ドミニカ共和国の選手も相当ビックリすると思います」。国内で無双の侍が世界を驚かせる日を、松坂氏も心待ちにしている。(鈴木 勝巳)

 ≪宮城、海外組の食生活興味≫松坂氏は侍戦士である宮城にもインタビューを行い「第2先発」などが期待されるWBCに向けた対応を質問。左腕はこのオフに「セットポジションからのクイックを多めにやったり、(先発以外で)どこでも対応できるよう練習してきた」という。ダルビッシュ、大谷らに聞いてみたいことについても質問すると「食生活。野球が始まるまでの生活とか、終わってからのケアとかに興味があります」と返ってきた。

 ≪宇田川への取材 報ステで放送へ≫松坂氏はこの日、自身がキャスターを務めるテレビ朝日系「報道ステーション」の取材で宮崎・清武のオリックスキャンプを訪れた。西武時代にバッテリーを組んでいた中嶋聡監督にあいさつし、侍ジャパンに選出されている山本、宮城、宇田川の3投手にインタビューを行うなど精力的に取材。宇田川へのインタビューの模様は後日、報道ステーションでオンエアされる予定。

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