巨人・大勢 新投法「くの字」フォームでさらにボールに勢い 軸足折り曲げ指先にパワー伝達

[ 2023年2月2日 05:20 ]

投げ込む大勢。右脚を「く」の字のように折り曲げる(撮影・西川祐介)
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 3月のWBCに出場する侍ジャパンの面々も各所属球団で順調な第一歩を踏み出した。昨季は新人最多タイの37セーブを挙げ本大会でも守護神を務める可能性がある巨人・大勢投手(23)は初日から精力的にブルペン入りし、より指先にパワーを伝えるために右脚の動きを変えた「くの字投法」を披露。17日からの宮崎強化合宿に向け、準備を進める。

 2年目の進化の鍵は軸足となる右脚に隠されていた。大勢は投球時に左足を上げる際、一度右かかとを上げ、下ろしてから投げるヒールアップ投法が持ち味。これで反動をつけボールに勢いを生んでいる。この日は始動の際に軸足を折り曲げる新フォーム「“く”の字」投法を披露した。

 「研究もされますし、自分自身が成長していくことが大事」

 昨季は新人最多タイの37セーブを記録。だがシーズン後半は疲労がたまって軸足の右脚から指先にパワーを伝えきれず、さらなる飛躍を目指す今季の大きな課題だった。新投法はオフの間にトレーナーと話し合い、意識付けのため着手。「一度、軸足でしっかり、足首、膝、右脚の股関節で(体重を)乗せてから投げようと取り組んでいる」と説明する。

 成長のために変化を恐れない姿勢は一流選手の条件。3月のWBCでも侍ジャパンの守護神候補に挙げられる中でのフォーム改造だが「変化はしているが退化はしていない。そういう感覚があるので、恐れずに調整しながら成長していけたら」と自信をのぞかせる。

 この日は捕手を座らせて20球を投じた。「しっかりと合ったときは、自分が思っている以上にいいボールがある」と感触を口にする一方で「成長段階というか、まだまだ自分のものにはできていない」と未完成であることも自覚している。滑りやすいとされるWBC使用球についても「真っすぐがカット(ボール)気味になる。フォークも日本のボールと違って、落ち方がスライダー気味に落ちる」と17日の宮崎強化合宿までの課題に挙げる。

 「(2年目で)どんどんできるようになってきていることがあるのでプラスアルファを付け加えていく」と大勢。「くの字」+「ヒールアップ」の新投法が完成したその先に、新しい景色が広がる。(花里 雄太)

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2023年2月2日のニュース