日本ハム・新庄監督「なまら君」にビビッ!! ドラ5・奈良間がキャンプ初日主役

[ 2023年2月2日 06:00 ]

5回、二塁打を放つ奈良間(撮影・高橋 茂夫)
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 プロ野球の11球団(西武は6日に始動)は1日、宮崎、沖縄両県で春季キャンプをスタートさせた。日本ハムは初日では異例の紅白戦を行い、紅組の「8番・遊撃」で先発出場したドラフト5位の奈良間大己内野手(22=立正大)が計2安打にディレードスチールで二盗も決めるなど躍動。就任2年目で最下位から一気に日本一を狙う新庄剛志監督(51)へのアピールに成功し、正遊撃手候補に名乗りを上げた。

 いきなり初日に紅白戦を行った意味があった。掘り出し物は奈良間だ。試合後、新庄監督は北海道の方言「なまら(とても)」に掛け「新人の“なまら君”ね。新人でプロの投手の球を2本も打てるのはなかなか」と評した。

 まずは3回先頭。「プロとしてスタートする初めの一日。全てアピールする気持ちで」という強い決意で試合に臨んだ奈良間が斎藤綱の直球を捉えた。記念すべきプロ初打席でいきなり左前に初安打。直後に足でも魅せた。阪口のカウント1―1から「プロの捕手のスローイングは抜群。用意スタートで勝負しても無理」とわざとスタートを遅らせるディレードスチールを敢行。左打者の“死角”となることも頭に入れ、50メートル走5秒8の俊足で宇佐見から盗塁を決めた。5回は左翼線二塁打。2安打1盗塁の鮮烈デビューを果たした。

 中日・根尾、ロッテ・藤原らと同じ世代で常葉大菊川の主将だった18年夏の静岡大会は打率・818。身長1メートル72ながら走攻守に高い身体能力で「静岡のジーター」とも称された。立正大でも主将としてチームをけん引。本家の元ヤンキースのデレク・ジーターと対戦経験のある新庄監督も「いい選手ですもんね。(奈良間を)ジーターと呼べばいいんだね」と笑顔でリップサービスした。

 前日には宿舎で全体ミーティングに参加。昨季は最下位に低迷した新庄監督から今季に懸ける思いを伝えられ「ちょっと背筋が伸びた。全力疾走を怠らないなど、自分ができる最低限のことを大事にしようと思った」と決意を新たにした。さらに指揮官はCS放送「GAORA」の生中継に出演した際に「新人だろうが関係ない。結果を残した選手を使う」と宣言。その言葉に「今は学生とは違い野球が職業。結果を出した人間が生き残る世界」と気を引き締める。

 16年は大谷(現エンゼルス)を擁して日本一も、17年以降は昨季までの6年間で5度もBクラスに低迷している。要因は昨季も固定できなかった遊撃などセンターラインの弱体化。“和製ジーター”が、開幕1軍どころか、一気に正遊撃手候補に名乗りを上げた。(清藤 駿太)

 【奈良間 大己(ならま・たいき)】☆生年月日 2000年(平12)5月8日生まれ、静岡県菊川市出身の22歳。

 ☆球歴 堀之内小1年から野球を始める。菊川西中では「小笠浜岡リトルシニア」でプレー。常葉大菊川では1年秋から遊撃手でレギュラー。3年夏の甲子園では16強入り。立正大では1年秋から遊撃手のレギュラーに定着。

 ☆サイズ 1メートル72、72キロ。右投げ右打ち。

 ☆野球小僧 幼少期から野球漬けの日々で趣味などもなく、音楽や映画も全く見ない。

 ☆特技 三点倒立が得意で「頭に血が上るといい感じになる」と立正大時代はリラックス法として試合前などに行っていた。

 ☆本盗 50メートル走5秒8の俊足で、4年秋の東都大学2部リーグ戦で本盗を決めたことがある。

 ≪異例の2月1日≫キャンプ初日の2月1日に紅白戦を行う例は極めて少ない。04年には就任1年目だった中日・落合監督が実施。エースの川上が147キロ、岩瀬が143キロをマークするなど各選手がコンディションを整えて臨み、指揮官も「大人ですよ。プロ意識というのかな。それに尽きる」と目を細めていた。19年にはロッテが実施。涌井(現中日)、石川が先発するなど計18投手が登板した。

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