不惑で2冠、社会現象に 独自の考えでパワー維持 門田博光さん死去、74歳

[ 2023年1月24日 21:28 ]

90年、オリックス時代の門田氏
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 74歳で死去した門田博光さんは、南海での1988年に40歳で44本塁打、125打点の2冠に輝き「不惑」が流行語となるなど社会現象にもなった。44歳まで現役を続け、通算567本塁打のうち、133発を40代でマーク。現在ほどトレーニング理論が発達していなかった時代に、独自の考えを貫き長く戦い続けた。

 長嶋茂雄さんは38歳、王貞治さんは40歳で引退した。門田さんは通常より100グラムほど重い1キロのバットで振り込むなど徹底的に体を鍛え、40歳を超えてもパワーを維持した。「安打の延長が本塁打」という打撃の定説に対しても「本塁打の当たり損ねが安打」と、自らの美学にこだわり一発を狙い続けた。

 平成以降はベテランの強打者が次々と登場した。山崎武司さんは38歳だった2007年に楽天で43本塁打をマークし、08年以降も13年に引退するまで計105本塁打を放った。広島と阪神で1766試合連続出場を果たした金本知憲さんは44歳まで現役を続けた。門田さんは、こうした選手の先駆けだった。

 しかし、引退後はプロ野球の指導者を務めることはなかった。独自の打撃理論やトレーニング法を、後世に伝える場がなかったことが惜しまれる。

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