ソフトB・勝連 待ってろ、ヒロヤ 中高のチームメート・オリ宮城大弥との対戦目指してアピール

[ 2023年1月24日 05:00 ]

オリックス・宮城との対決を目指すソフトバンク・勝連(撮影・中村 達也)
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 待ってろ、ヒロヤ(大弥)――。毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第12回は、高卒育成4年目の勝連大稀内野手(21)。中学時代の硬式クラブと興南(沖縄)では、オリックス・宮城大弥投手(21)とチームメートだった。念願の支配下登録と、1軍で宮城との対決を目標に掲げ、巧打と快足堅守でアピールを続ける。2年目を迎える正木智也外野手(23)は単独自主トレで手応えを語った。

 勝連には、負けられない相手がいる。育成選手としてのモチベーションとなっている。沖縄で球友だったオリックス左腕の宮城だ。育成選手と支配下登録選手の差もあるが、21年新人王は今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)侍ジャパン日本代表にも内定。正直、追いかけても、背中が遠ざかってきた感じもある。

 「前までは(宮城)大弥が勝つたびに連絡を取り合っていたけど勝つのが当たり前になってきたので連絡は減った。たまに“元気かー?”と連絡が来たりする」。2人は「ヒロヤ」、「カツ」と呼び合う仲。中学時代の硬式クラブ「宜野湾ポニーズ」と興南高でチームメート。夏の甲子園にも出場した。19年ドラフトで宮城は1位指名。勝連は育成で4位。「活躍は凄いと思ったり、うれしかったりするけど悔しい感じもある。絶対に対戦したい」。3桁の背番号「130」を2桁にして対戦するために2、3軍戦でアピールを続けている。

 勝連は抜群の心肺機能に加えて快足堅守が魅力。昨春の宮崎キャンプでは12分間走でA、B組を合わせてトップの記録を叩き出した。本来は遊撃手だが、昨季から小久保裕紀2軍監督の方針で三塁にコンバートされ、アピールチャンスは拡大した。課題は打撃だ。

 3軍戦では2本塁打したが、昨季のウエスタン・リーグの出場は45試合で7安打4打点、打率.119、2盗塁だった。「これだという打撃が見つからず、納得いかなかった。まずは率を残せる打者に。犠打、バスター、エンドラン。小技に加えて1軍に通用するパンチ力を付けたい」。オフには地元沖縄でオリックス・宜保らと合同自主トレ。太りにくい体質だが、体重増も狙った。

 「最終目標は1軍戦の出場です。自分は、4年目(の今季)が勝負と思っています。あとは考えず支配下になりたい」。同じ育成出身で、同郷で実家も近いリチャードから打撃の助言をもらいながら、今季に向け準備を重ねている。「リチさんは、優しいですし期待に応えたい」。沖縄県民の絆に支えられながら、勝連の“待ってろ!大弥”への戦いは続いている。(井上 満夫)

 ◇勝連 大稀(かつれん・はるき) 2001年(平13)4月30日生まれ、沖縄県宜野湾市出身の21歳。小3で野球を始める。普天間中時代は宜野湾ポニーズでプレー。興南では2年時に夏の甲子園に出場。19年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。1メートル76、69キロ。右投げ左打ち。


《「2年目は勝負の年です」正木はレギュラー獲りだ》

 2年目を迎える正木は福岡県筑後市のファーム施設で単独自主トレに励んでいる。

 「期待だけで終わらないように。いち早くレギュラーを獲って中心選手になりたい。2年目は勝負の年です」

 ルーキーイヤーの昨年は開幕こそ2軍で迎えたが、4月に昇格して1軍デビュー。8月の楽天戦ではプロ初本塁打を放つなど35試合に出場し、打率.254、3本塁打、5打点だった。「最後のほうだけいい感じに終われた」と振り返る。

 12月は母校の慶大で汗を流した。体づくりをテーマにバットを振ること、ランニングを欠かさなかった。「打撃は秋のキャンプでヘッドの使い方とかバットの軌道の部分で自分の中でつかむものがあった。それを継続してやっています」と話した。同期入団の野村勇はシーズンの中盤から終盤にかけて大活躍。10本塁打で球団新人記録に並んだ。「同じ右打者として負けたくない。いい刺激をもらった」と目をギラギラさせていた。(杉浦 友樹)

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