楽天・松井裕 15年プレミアの雪辱果たす「その時と違った自分が出せる」 世界の強豪なぎ倒し進化証明だ

[ 2023年1月24日 05:20 ]

ブルペンで投げ込む松井裕
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 静かな口調に自信がみなぎる。3月のWBCで侍ジャパンに内定している楽天・松井裕が仙台市内で自主トレを公開。「その時と今の僕とで同じことをやっていては意味がない。違った自分が出せると思うし、そのために時間を過ごしてきた」とリベンジを誓った。

 「その時」とは15年プレミア12。準決勝の韓国戦の9回、2点リードの無死満塁で救援も、押し出し四球を与えて1死も取れずに降板。侍ジャパンは逆転負けを喫した。当時はプロ2年目の20歳。あれから7年以上の月日が流れた。数多くの修羅場をくぐり、大きく成長した自負がある。3月10日には1次ラウンド最大のヤマ場となる韓国戦が待つ。舞台は同じ東京ドーム。「(相手が)どこでも、マウンドに上がった瞬間に100%で」と闘志は燃え上がっている。

 既に練習ではWBC使用球を使い、自主トレ期間中に7度ほどブルペン投球を行うなど調整ペースは早い。昨季はリーグトップの32セーブ。チームでは不動の守護神だが、侍ジャパンでは「勝利のためには当然、どこでもやる。イニング途中、イニングまたぎも問題ない。何回からでも投げる」とチームへの貢献だけを胸に刻む。

 17年の前回WBCでは韓国との対戦がなく、チームもベスト4止まり。21年東京五輪は代表から漏れた。「悔しい思いを持って日本代表を目指して常にやっていた」。17年に比べても技術、メンタルともにかつての自分ではない。「当時は右も左も分からなかった。(今は)相手を、自分を見て投げられるようになった。出力も変わってきたし、同じ自分であってはいけない」。27歳。静かに研いできた爪を光らせ、世界の強豪をなぎ倒す。(鈴木 勝巳)

 ▽15年プレミア12準決勝VTR 11月19日の韓国戦(東京ドーム)。先発の大谷は7回を1安打無失点、11奪三振の快投。3点リードの8回から継投策に出て則本は3者凡退に抑えたものの、9回に先頭から3連打を浴びて1点を失った。なおも無死満塁で急きょ登板した松井裕はストライクが1球しか入らず押し出し四球。打者1人で降板すると、4番手・増井は李大浩に逆転2点打を浴びた。3―4で逆転負けを喫した小久保監督は「僕の責任」と継投ミスを認めた。

 ≪最年少200セーブへ「通過しないと」≫松井裕は、シーズンでは史上9人目の通算200セーブにあと3に迫っている。27歳の今季に達成すれば最年少となるが「節目として簡単に通過していかないといけない数字」と話した。自主トレでは昨年まで9年連続で先輩の田中将と行っていたが、このオフから独立。高卒2年目左腕の泰を引き連れ「年齢も上がってきたし、後輩から一緒にやりたいという声を聞いたので」と説明した。

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2023年1月24日のニュース