DeNA・牧 ふわふわ浮くティー打撃で世界の動く球攻略だ WBCで「自分の打撃を意識し世界一」

[ 2023年1月20日 05:00 ]

ロングティーを行うDeNAの牧(撮影・島崎 忠彦)
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 DeNA・牧秀悟内野手(24)は「フライングボール革命」で世界一へ突き進む!19日に鹿児島県鹿屋市内で自主トレを行い、最終メンバーに選出された3月のWBCへ向け、外国人投手特有の動く速球対策になる新兵器を披露した。風圧で宙に球を浮かべる「AIR―HIT」を用い、浮いた球を動く速球に見立てて振り込んだ。

 ロングティー打撃で構える牧の視線の先。白球は…、浮いていた。しかも小刻みに揺れて。時に高々と飛球を上げ、時に打ち損じて「“こういうのがあるんだ”と思った。動いているので、本当に芯に当たらないと飛ばない。ちょっと(球の動きを)読んだり、WBCへいい準備になる」と声を弾ませた。

 国際大会のたびに侍ジャパンを悩ませる、打者の手元で動く外国人投手特有のムービングファストボール。そんな動く速球対策に取り入れたのが、用具メーカーの「シュアプレイ」が開発したティー打撃マシン「AIR―HIT」だ。

 下からの強力な風圧で、白球が宙に浮く。「次世代の置きティー」と呼ばれる、1台10万9000円の新兵器を前日から使用開始。静止することのない白球は、動く速球をほうふつさせた。いかに手元での微妙な球の動きに反応し、適応するか。インパクトまで目を離さずバットを振り続けた。DeNAの宜野湾キャンプにも持ち込み「使っていきたい」と継続する考えだ。

 昨季はDeNAで出場した全135試合で4番に座り、打率・291、24本塁打、87打点。前年最下位からの2位浮上に貢献した。11月の侍ジャパン強化試合ではただ一人4試合全てにスタメン出場した。昨年末に栗山監督から直接電話で「チームの力になってくれ」と告げられると、「プロ野球の代表として臨む」と襟を正した。

 「打撃が売りなので、どのように起用されても自分の打撃を意識し世界一を目指す」

 相手は米国、ドミニカ共和国など「フライボール革命」全盛のメジャーリーグ最強集団。そんな猛者たちに打ち勝つべく、牧は宙に浮くフライングボールを叩き続ける。(大木 穂高)

 ≪栗山監督指令で一塁守備も大丈夫≫牧は昨季DeNAでは全て二塁手で出場も、21年には一塁で67試合に出場している。侍ジャパンの栗山監督からは「一塁も守れるようにしておいてくれ」と告げられている。この日は大和に二塁守備で指導を仰いだが、ファーストミットも持ち込んでいる。「一塁の守備にも取り組んでいます。この前もファーストで練習しました。どこでも出られるように、一塁か二塁か、できる準備はしています」と話した。一塁は山川、二塁は山田や中野、周東も内定している。ライバルは多いが「自分のプレーをすることが大事」と続けた。

 ≪人骨模型使って体の仕組み理解≫自主トレでは昨年に続き恒例となった「キックボクシング」も行われた。さらにグラウンド上に人骨模型を持ち込んでの座学も開講。トレーナー陣が骨の位置を認識し、走塁時などに股関節の動きを勉強してもらおうと用意した。牧は「体の使い方は違いますが、体の軸の動きは打撃にもつながる」と説明し感謝した。

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2023年1月20日のニュース