“悲願”達成の仙台育英が「白河の関越え」体感 須江航監督「ここからが自分たちのホームなんだな」

[ 2022年12月3日 18:48 ]

仙台育英ナインが野球交流会前に参拝した白河神社 (撮影・西川祐介)
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 今夏の甲子園で優勝し、東北勢として春夏通じて初の全国制覇を果たした仙台育英(宮城)野球部が3日、福島県白河市を訪れた。国指定史跡「白河関跡」近くにある白河神社を参拝後、同市の少年野球部員らと野球教室で交流した。

 優勝インタビューで話した「青春って、すごく密なので」が、1日に発表されたユーキャン新語・流行語大賞の選考委員特別賞を受賞した須江航監督。「歴史の重みを感じて本当に訪問できてよかった。僕は埼玉出身ですけど東北に住んで24年になる。改めて自分が東北人なんだと感じた。ここ(白河関跡)から先が東北で自分たちの“ホーム”なんだなという気持ちになりました」と参拝を振り返った。

 深紅の大優勝旗の「白河の関越え」を体感した後、同市の中学校で佐藤悠斗前主将ら3年生部員27人による野球教室を実施。体育館でキャッチボールやゴムボールを使った打撃練習、質疑応答などで交流。東北の未来を担う少年、少女に対し指揮官は「ここにいるお兄さんたちが全国優勝できたんですけど君たちも同じような凄いことができるはず。小さな目標を一つ一つクリアしていった先に大きな目標がある」と語った。

 今秋の東北大会で優勝し来春選抜出場は確実。須江監督は「選抜は1県1代表ではなくて6県の代表として行きますから、ふさわしい成績を収めたい。皆さんの思いを持って臨まないといけない。素晴らしいやる気をいただきました」と2度目の「白河の関越え」に意欲を示した。歴史の扉を開いた仙台育英が、推進力を増して東北の冬を迎える。(柳内 遼平)

 ◇須江 航(すえ・わたる)1983年(昭58)4月9日生まれ、さいたま市出身の39歳。仙台育英では2年時から学生コーチを務め、3年時に春夏の甲子園に出場。八戸大(現八戸学院大)でも学生コーチを務めた。06年から仙台育英の系列の秀光中軟式野球部監督を務め、14年に全国大会優勝。18年1月から仙台育英監督に就任し、今夏を含めて5度の甲子園出場に導く。情報科教諭。

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2022年12月3日のニュース