新庄日本ハム、日体大・矢沢をドラ1公表 大谷ノウハウで「本人の強い希望」二刀流育成も表明

[ 2022年10月12日 06:00 ]

日本ハムがドラフト1位指名を公表した矢沢
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 日本ハムは11日、千葉県鎌ケ谷市内の球団施設でスカウト会議を行い20日のドラフト会議での日体大の二刀流左腕・矢沢宏太投手(22)の1位指名を公表した。最速152キロで野手としても50メートル走5秒8の俊足を誇る巧打者をエンゼルスに送り出した大谷翔平投手(28)のように二刀流で育成する方針も表明した。

 ドラフト会議まであと9日。午後3時過ぎにスカウト会議を終えた日本ハムが1位指名を公表した。9月28日の巨人の高松商(香川)・浅野、前日のソフトバンクの誉(愛知)・イヒネ、この日午前の西武の早大・蛭間に続き4球団目の公表。ターゲットは日体大の二刀流左腕・矢沢だ。

 球団のドラフト戦略は「その年のNo・1選手を指名する」こと。対応した稲葉篤紀GMは「1位は日体大の矢沢選手。走攻守投と各部門でポテンシャルが高い。球団の方針であるNo・1、オンリー1である選手をぜひ獲得したい。二刀流も三刀流もできる」と絶賛した。

 球団は大谷を二刀流で育ててエンゼルスに送り出した実績を持つ。稲葉GMは「全てにおいて期待をしている」と二刀流での育成を明言。9日に日体大で矢沢と面談を行った大渕隆GM補佐兼スカウト部長も「野手一本とかそういう気持ちがあるのかなと思っていたけど、投げて、打って、走りたいという本人の非常に強い希望があった」と明かし、「同じやり方ではない」と言う。指導法や練習環境などを整えることが難しく、1位候補に挙げている球団も二刀流で育成するとは限らない。大谷育成のノウハウは大きな武器となりそうだ。

 競合すれば初のドラフトとなる新庄監督がくじ引き役を務める。新庄監督に1位指名が決まったことを伝えると「分かりました。よろしくお願いします」との返答があったという。稲葉GMは「ボスが想定外のことを考えてくれるかもしれない。そこは本人の意思とボスのアイデア」と化学反応にも期待する。

 矢沢は9月5日の筑波大戦で投手専任で先発すると6回にDHの打順で代打で出場。リアル二刀流で9回2安打3失点に抑え、延長10回は右翼の守備に就く“三刀流”も実現させた。今季は9年ぶりの最下位に沈み、投打で補強が急務となっているチームで、矢沢は最適な存在といえる。(東尾 洋樹)

 ◇矢沢 宏太(やざわ・こうた)2000年(平12)8月2日生まれ、東京都町田市出身の22歳。6歳から野球を始め、藤嶺藤沢では1年夏からベンチ入りし同年秋からエースも甲子園出場なし。高校通算32本塁打。日体大では1年春から野手でリーグ戦に出場し同年秋に投手で出場。2年秋に外野手、3年秋に投手、4年春に指名打者でベストナイン獲得。1メートル73、72キロ。左投げ左打ち。

 ▽日本ハムの大谷育成 12年ドラフトでメジャー希望を表明していた花巻東の大谷を強行指名。入団交渉では栗山監督(当時)が「誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう」と記したサインボールを贈って二刀流を提案。「夢への道しるべ」と題した30ページに及ぶ資料を提示するなどして入団を決意させた。1年目は完成度が高かった打者では開幕戦から出場させた一方で投手は5月末と成長段階に合わせて起用。その後もコンディションを最優先に成長させ、5シーズンを終えた17年オフにエンゼルス移籍を実現させた。

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