固い絆だ!阪神・伊藤将「ウメさんのリードを信じて投げた結果」両リーグ最多6度目完投で9勝目

[ 2022年9月8日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神9―1ヤクルト ( 2022年9月7日    甲子園 )

<神・ヤ>3回1死、アウトカウントの確認をする伊藤将(撮影・坂田 高浩) 
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 阪神・伊藤将司投手(26)は7日のヤクルト戦で、9回を1失点に封じ自身甲子園10連勝を飾った。前回対戦で決勝3ランを浴びた村上を3打数無安打に封じると、7回には今季3本目となるタイムリー。攻守に躍動して今季9勝目を挙げるとともに、今季の完投は12球団トップとなる6度目となった。チームの連敗は3でストップ。2位・DeNAとの差を4・5ゲーム差とした。

 やはり聖地での伊藤将は強かった。強力打線を寄せ付けず、1カ月ぶりの9勝目。お立ち台では、久々の勝利の余韻に浸った。

 「ありがとうございます。気持ちいいです。低めに丁寧に投げることもできましたし、ウメさんのリードを信じて投げた結果、こうやって完投することができました」

 味方の拙守をきっかけに失点した6回以外は、二塁すら踏ませない圧倒的な投球だった。けん制で2度も一塁走者の飛び出しを誘うなど、勝てる投手の要素を体現。111球で9回を投げ抜き、12球団トップとなる今季6度目の完投となった。「先発をやっている以上、マウンドは譲りたくないという気持ちがある」。その言葉もまた頼もしい。

 「前回悔しい思いをしたので、きょうはウメさんとやり返す気持ちで投げました」

 やられたら、やり返す。それこそがプロで生き抜く術だ。前回8月17日の対戦では、村上に決勝3ランを浴び8回完投負けしていた。雪辱を期して臨んだ一戦。圧巻は第1打席から遊飛、見逃し三振に退けて迎えた、7回無死一塁だった。

 「一番調子のいい村上を抑えられたのがよかったんじゃないかなと。一辺倒では厳しいと思うので、うまく緩急を使いながらやれたのがよかった」

 直前に山田の強烈な打球が右太腿の内側に直撃したが、影響を微塵(みじん)も感じさせなかった。初球のチェンジアップを内寄りに投げ、注文どおりの二ゴロ併殺打。3打数無安打に封じ、村上の連続試合出塁を「30」で止めた。

 交流戦終盤の時期に微調整を加えたフォームの安定が、ここまでの好成績の要因だ。左手をトップの位置に持っていくまでの腕の振りを早くしたことで、変化球の精度が向上。「(見た目は同じに見えても)自分の中では結構変わっている」という細かな修正が、安定感を生み出している。

 7回2死一、二塁ではプロ初の長打となる左中間への2点適時二塁打と、バットでも躍動した。6月25日の中日戦以来となる今季3本目の適時打は、いずれも甲子園。どこまでも聖地に愛される左腕は「残り試合も少ない。もう一踏ん張り投げていきたい」と力強く締めた。(阪井 日向)

 《阪神では15年の藤浪以来》伊藤将(神)が両リーグ最多6度目の完投(完封2、完投勝利2、完投敗戦2)で9勝目。阪神投手のシーズン6完投は、15年に藤浪が7完投して以来。

 《虎左腕初の甲子園10連勝》甲子園では昨季9月1日の中日戦から10連勝。阪神投手の甲子園10連勝は、村山実(12連勝を2度)、小林繁(10連勝)に次いで3人目、4度目で左腕では伊藤将が初めて。昨季はシーズン防御率2.44に対し甲子園2.53だったが、今季はシーズン2.31に対し甲子園1.52と本拠地で抜群の成績を残している。

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