西武・森 再奪首メモリアル弾、4回同点から「完璧」通算100号

[ 2022年8月31日 05:25 ]

パ・リーグ   西武3-1日本ハム ( 2022年8月30日    ベルーナD )

<西・日>通算100本塁打を達成しボードを掲げる森(撮影・尾崎 有希)
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 フルスイングから放たれた打球が鮮やかな放物線を描いた。右中間スタンドへ吸い込まれる打球。その感触をじっくり味わうかのように、西武・森は100回目となるダイヤモンドを一周した。

 「100本目を打ててうれしい。手応えは完璧でした」。同点で迎えた4回に相手エース・上沢の143キロフォークをかち上げた。森らしい6号ソロはプロ9年目の通算100号。試合の流れも引き寄せ、ベンチ前で記念ボードを掲げた。

 思えば、プロ入り前から打てる捕手を目指し「阿部さん(現巨人作戦兼ディフェンスチーフコーチ)みたいな捕手になりたいと、ずっと練習した」。一振りで1点入る本塁打は最強と位置付ける一方で、意識はしない。己の役割を考え「いい安打の延長が本塁打」と思ってやってきた。その積み重ねの100号到達。ただ、捕手としての大台に「そういう意味ではうれしい思いもある」と続けた。

 19年に首位打者&MVPに輝きながら、その翌年の20年に極度の打撃不振に陥った。捕手として悩み、打撃も落ち込んだ。意識は常に捕手が8割で打撃2割。「打者としてむちゃくちゃ悩むけど、調子がいい時は何も考えなくても打てる。捕手はいい時も悪い時も毎日、毎球悩む」。そんな苦労があって今がある。辻監督は「いろんなことを考えている。あまり意識しないであいつらしくいってくれればいい」と言った。

 いろんな思いが詰まった森のメモリアルアーチ。それは打線にも先発・高橋にも波及する。呉念庭(ウーネンティン)が4号ソロで続けば、高橋は粘りの投球で9勝目。7日ぶりの首位返り咲きだ。「どこもヘトヘトの中でやっている。もう一段階ギアを上げて頑張りたい」。決勝アーチを放った森の言葉が、夜の所沢に力強く響いた。(秋村 誠人)

 《球団捕手最年少》森(西)が日本ハム戦の4回に上沢から今季6号ソロを放ち通算100本塁打を達成した。プロ野球306人目。初本塁打は14年8月14日のオリックス戦で榊原から。西武で100本塁打以上は、中村の451本塁打を筆頭に29人目。うち、主に捕手を務めた選手では伊東勤(156本)、和田博実(100本=当時西鉄)に次ぎ3人目だが、それぞれの100号到達時を比べると、
年打 者年齢  試合数
71和 田34歳 1514
94伊 東31歳 1408
22 森 27歳  904
 と森は初の20代、1000試合未満での到達になった。

 ▼日本ハム・上沢 あれを本塁打にできる森が凄い。いろんな球種を投げる中でしっかり投げたフォークを打たれたので、あれは打った方がレベルが高かった。

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2022年8月31日のニュース