阪神・西勇 西純の“おねだり”かなえて連勝導いた!鮮やか巨人斬り9勝目「感覚的に良かった」

[ 2022年8月20日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―0巨人 ( 2022年8月19日    東京D )

<巨・神>巨人に完封勝利し、ハイタッチをする西勇(中央)(撮影・平嶋 理子)
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 阪神・西勇輝投手(31)が19日の巨人戦に先発し、散発3安打で4月5日のDeNA戦以来、今季2度目の完封勝利を飾った。122球の力投で三塁を踏ませず、9勝目をマーク。通算300試合という節目の登板に自ら花を添えた。チームも8連敗の後、これで2連勝。敗れた広島に代わって、3位に浮上した。

 この日の朝、西勇の元にこれ以上ない発奮材料が届いた。前夜のヤクルト戦は西純が5回2失点で4勝目。連敗を8でストップした遠縁は、はにかみながら連勝を“おねだり”してきたという。

 「純矢が勝ったので、いい顔をしていた。朝会って、“きょうお願いします”って上から言ってきた」

 思わぬ告白に、敵地でのヒーローインタビューがドッと沸いた。4点優勢でも最後まで集中力を切らすことなく、散発3安打の完封勝利。節目の300試合登板を、最高の形で飾った。

 「最後まで気を引き締めて投げていた。自分の感覚的にも良かった。誠志郎(坂本)の構えてるところに投げたいボールが投げられる確率も高かったので、良かったなと思う」

 巨人戦の完封は実に20年9月17日以来2度目だ。初回から4回までは無安打投球。7月13日の巨人戦以来、5試合ぶりにバッテリーを組んだ坂本のリードに応えようと、持ち前の制球力を生かして、的を絞らせなかった。

 4―0の8回は1死一、二塁とこの試合唯一のピンチを背負ったが、マウンド上で笑みを浮かべるなど、動じなかった。吉川を左飛に抑えると、続く坂本も外角スライダーで二飛。9回2死一塁では岡本和を三ゴロに退け、122球で連勝劇を締めくくった。

 蓄積疲労とせめぎ合うシーズン終盤。その一方で、気温の上昇を味方につけている。

 「自分は乾燥肌で、冷え性でもあるので、手に汗をかいていたい。手にウエット感がほしいタイプなので、試合中も汗をかけるよう、あんばいを調節しながらやっている」

 汗をかきにくい春先は試合序盤から手に息を吹きかけて温めるしぐさが目立つが、夏場は湿度も高くなることから、体質的には好条件が整う。右腕の指先の感覚に大きな影響を与える手汗。東京ドームは空調が効いていることから、立ち上がりは何度か手に息を吹きかける工夫も見せ、快投につなげた。

 実は今季9度目の「西西リレー」にして、両者に白星がついたのは今回が初めてだった。2連勝で3位浮上。巻き返しに向け、再び猛虎が走り始めた。(長谷川 凡記)

 《3度目のシーズン2完封》西勇(神)は4月5日のDeNA戦以来今季2度目の完封。シーズン2完封はオリックス時代の15年、阪神移籍後の20年に続く3度目の自己最多。巨人戦の完封は20年9月17日以来2度目で前回も東京ドーム。今季の巨人戦は7月13日(甲子園)に続く2戦2勝。前回も8回無失点で17イニング連続零封中だ。

 《G戦勝ち越し王手》阪神は巨人を今季4度目の零封に仕留め、対戦成績12勝7敗。シーズン勝ち越しへあと1勝とした。昨季は13勝9敗3分けで07年以来14年ぶりのカード勝ち越し。2年連続なら03~05年の3年連続以来17年ぶりになる。20、21日の2試合で1勝か2分けなら、巨人戦6カード連続勝ち越しで、フランチャイズ制導入の52年以降では09年の5カード連続を上回る球団新記録。東京ドームの巨人戦は3カード連続勝ち越しとなり、こちらは09年と21年に並ぶ球団タイ記録になる。

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2022年8月20日のニュース