エンゼルス・大谷「生誕祭」だ!単打だ!29打席ぶり本塁打以外の安打

[ 2021年7月7日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4ー5レッドソックス ( 2021年7月5日    アナハイム )

<エンゼルス・レッドソックス>5回、左前打を放つ大谷(ロイター)

 ド派手な「生誕祭」だ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が、誕生日を迎えた5日(日本時間6日)、レッドソックス戦に「2番・DH」で出場。今季の本拠地で最多となる3万8201人の大観衆を盛り上げた。過去7試合7本塁打のスラッガーは5回に左前打を放ち、29打席ぶりとなる本塁打以外の安打を記録。日本選手新記録となる32号アーチは次戦以降に持ち越されたが、大谷フィーバーはまだまだ続く。

 エンゼルスファンはもちろん、西海岸までやって来た熱狂的なレッドソックスファンも総立ちになった。4―5の9回2死一、二塁。長打で逆転サヨナラの好機に大谷が打席に向かうと、第1打席から続く「MVP」コールの響きが増した。

 「最初から最後までこんなに球場が盛り上がっているのは見たことがない。彼(大谷)が野球にもたらしたものは素晴らしい」

 現役時代に同じ南カリフォルニアに本拠を置くドジャースでプレーしたレ軍のアレックス・コーラ監督も驚いた。最後の打球は右前で弾むかと思われたが、内野陣が極端に右寄りに守った「大谷シフト」につかまり二ゴロ。大盛り上がりの一戦は幕を閉じた。

 米国の独立記念日の翌日も、特別な日だった。「7・5」は大谷の27歳の誕生日。スタンドの各所で「Happy Birthday」と書かれたボードが掲げられ、試合中にバースデーソングを歌うグループもいた。4万人近いファンが大谷を祝い、応援した。

 コーラ監督は「彼がプレーする一球一球への歓声は野球にとって本当に良いこと。バリー(・ボンズ)の時とよく似ているように感じた」とも言った。01年にシーズン最多記録の73本塁打をジャイアンツのボンズが記録したフィーバーを、同地区のライバルとして体感。それが大谷を取り巻く熱狂と重なった。

 試合前までの直近7安打は全て本塁打。5回の左前打は29打席ぶりの「本塁打以外の安打」で、セーフティーバント以外の単打に限れば77打席ぶりと、長打と単打の「逆転現象」も起こした。31本塁打でリーグトップを独走し、投げても3勝。コーラ監督は今季のMVP候補とした上で「彼のために特別な賞をつくるべき。違う次元にいる」と話した。

 敵も味方も魅了する二刀流。エ軍のジョー・マドン監督は「ファンは素晴らしかった」と感嘆した。大谷からの大声援への「御礼アーチ」も、近いうちに届くはずだ。(柳原 直之)

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