大谷、フェンス直撃180キロの“弾丸”適時二塁打 新登場曲に込めた決意

[ 2020年7月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス10-2マリナーズ ( 2020年7月28日    エンゼルスタジアム )

6回、右中間に適時二塁打を放つ大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が28日(日本時間29日)、マリナーズ戦に「5番・DH」で出場し、6回に今季初長打&初タイムリーとなる右中間二塁打。今季2安打目の打球速度は今季チーム最速111.9マイル(約180キロ)を計測し、フェンスを直撃した。メジャー3年目の登場曲はケガからの復活や本拠地への熱い思いを連想させる2曲を使用。チームは本拠地開幕戦を白星で飾った。

 大量リードの6回2死一塁。大谷が打席に向かうと、甲高い歌声がエンゼルスタジアムに響き渡った。

 ♪These battle scars,
 don’t look like they’re fading
(戦いの傷痕が消えていくようには見えない)

 今季のために選んだ2つの登場曲の一つ、ルーペ・フィアスコ&ガイ・セバスチャンのヒット曲「Battle Scars(戦いの傷痕)」が3回の2打席目と同様、4打席目も場内に流れた。

 気分を高めた大谷がグロツのシンカーを強振すると打球はあっという間に右中間フェンスを直撃。今季初長打の二塁打は打点もついた。18年10月の右肘じん帯再建手術、昨年9月に受けた左膝膝蓋(しつがい)骨手術から二刀流復帰を目指すシーズンで、2年ぶりに投手復帰した26日のアスレチックス戦は1死も取れず5失点でKOされ、翌27日の同戦は打者で4打数無安打。右肘と左膝の“傷痕”とともに戦う決意を登場曲に込め開幕戦の1打席目以来、12打席ぶりの安打につなげた。

 打球速度は今季自己最速、全体でも6位の111.9マイル(約180キロ)だった。チームでも大谷が昨年9月11日のインディアンス戦で放った本塁打の114マイル(約183.4キロ)以降で最速。3度のMVPを誇るトラウト、通算657本塁打のプホルスらが並ぶ強力打線でも、大谷のポテンシャルは別格だ。

 大谷が1、3、5打席目用に選んだ曲は人気ラッパーの2Pacの名曲「To live and die in LA(ロサンゼルスで生き抜くこと)」だった。コロナ禍で60試合制となった特別なシーズンの本拠地開幕戦。居を構え3年目を迎える地元で“無観客でもファンとともに戦う”というメッセージなのかもしれない。

 中6日で8月2日(日本時間同3日)の本拠地アストロズ戦での先発も正式決定。汚名返上の機会が与えられた。同じ26歳で仲が良い1番のフレッチャーは言う。「翔平は今まで会った誰よりも逆境に強い」。大谷ならきっと輝きを取り戻す。ファンも、仲間も信じている。


 《メジャー最速はスタントンの196.6キロ》大谷のメジャーでの打球速度は19年6月26日レッズ戦での右中間二塁打の115.1マイル(約185.2キロ)が最速。2番目は同年7月29日タイガース戦の二ゴロ併殺打で114.6マイル(約184.4キロ)だった。今回の111.9マイルは14番目タイ。メジャー全体では17年にマーリンズ時代のスタントン(現ヤンキース)が記録した122.2マイル(約196.6キロ)が最速だ。

 《投手曲は日本ハム時代のもの》「打者・大谷」は日本ハム時代の15年からオリー・マーズの「ラップド・アップ」を登場曲で使用し、18年のメジャー移籍後も継続。同年途中から得点圏でリル・ウェインの「ショータイム」も使用した。19年5月には一時的に人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のテーマ曲に変えたことも。「投手・大谷」は日本ハム時代の15年からアフロジャックVSサーティー・セカンズ・トゥ・マーズの「ドゥ・オア・ダイ(リミックス)」を使用する。

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